質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二八号

内閣参質一九五第二八号
  平成二十九年十二月十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院副議長 郡司 彰 殿

参議院議員川田龍平君提出「医薬分業の欠点」にかかる政府の今後の展望に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出「医薬分業の欠点」にかかる政府の今後の展望に関する再質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「一連の「処方箋付け替え問題」」及び「厳正に処罰」の意味するところが必ずしも明らかではないが、薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)第二十七条に定める処方箋の保存が行われない場合その他の調剤行為に関連する薬局開設者等の義務が果たされない場合には、調剤の責任の所在が不明確となるなど、御指摘の「金銭面の問題」のみならず、お尋ねの「薬物療法の安全上の問題」が発生する場合があると認識しており、当該義務が果たされていないことが明らかになった場合には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)等に基づき都道府県等において適切に行政処分等がなされるよう、必要な技術的助言を行うとともに、薬剤師法、健康保険法(大正十一年法律第七十号)等に基づき適切に行政処分等を行ってまいりたい。

三及び四について

 お尋ねの「国民の知る権利を阻害している合理的な理由」及び「調剤報酬にかかる不正事例について、国民に開示するための議論を開始する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、調剤報酬の不正な請求が疑われる事例については、「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」(平成七年十二月二十二日付け保発第百十七号厚生省保険局長通知)に基づき保険薬局に対して監査を行っているところである。
 監査の内容については、これを公にすることにより当該保険薬局の権利その他正当な利益を害するおそれがあるため、公表していないところであるが、監査の結果、調剤報酬の不正な請求の事実が確認された保険薬局のうち、故意に不正又は不当な請求を行ったもの等に対しては、その指定の取消しを行い、その旨を公表しているところである。

五について

 お尋ねの「政府の都合で情報開示は難しく、不正請求を行った当該事業者の利益を優先し、調剤報酬にかかる不正事例の情報非開示を続ける」及び「不当利得である不正請求分の被保険者への返還制度」の意味するところが必ずしも明らかではないが、監査の結果、調剤報酬の不正な請求により被保険者等が支払った自己負担額に過払いが生じていることが明らかになった場合には、保険薬局等に対してその過払額を当該被保険者等に返還すること及び当該被保険者等が加入している保険者に対して当該被保険者等宛てに当該過払いが生じている旨を通知することについて、それぞれ指導を行うこととしており、被保険者等は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百三条等の規定に基づき、調剤報酬の不正な請求を行った保険薬局等に対して当該過払額の返還の請求をすることができるものと承知している。