質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二四号

内閣参質一九五第二四号
  平成二十九年十二月十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院副議長 郡司 彰 殿

参議院議員仁比聡平君提出在日米海軍横瀬駐機場のエアクッション型揚陸艇による夜間航行訓練に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員仁比聡平君提出在日米海軍横瀬駐機場のエアクッション型揚陸艇による夜間航行訓練に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの訓練(以下「本件訓練」という。)については、平成二十九年十一月七日から同月九日までの各日において、米軍のエアクッション型揚陸艇(以下「LCAC」という。)延べ六隻が、日没前に西海市に所在する横瀬貯油所を出港し、佐世保湾の沖合で巡航訓練等を実施した後、日没後一時間以内に帰港したものであると承知している。
 また、お尋ねの「被害」については、これまでに、LCACの航行等を原因として、同市を始めとする地域住民の財産等に対する被害が生じたとの連絡を受けているとは承知していない。

二について

 平成十二年一月二十六日に福岡防衛施設局(当時)と長崎県西彼杵郡西海町(当時)との間で締結した「横瀬貯油所内におけるLCAC施設の整備等に関する協定書」においては、福岡防衛施設局長(当時)は、西海町長(当時)からの要求に基づき夜間及び早朝の航行については行わないよう米軍と調整するものとする旨規定されており、同協定書が引き続き効果を有することについて、平成二十四年十一月九日に九州防衛局と西海市との間で締結された「横瀬LCAC施設の運用に関する協定書」において確認されているところであり、政府としては、これらの協定書(以下「協定書」と総称する。)を踏まえ、防衛省において米軍と調整を行うべきものと認識している。

三について

 お尋ねについては、平成二十六年に、九州防衛局が、夜間及び早朝の航行訓練の必要性を西海市に説明したいとの米軍の要望を同市に伝えた際に同市から出された意見を米軍に伝えたものであるが、その詳細について明らかにすることは、米国との関係もあり、差し控えたい。

四及び七について

 政府としては、本件訓練に先立って、協定書を踏まえ、米軍との調整を行ったところであるが、本件訓練は、搭乗員の練度の維持及び向上のために重要なものであるとの米軍の判断により日没後の帰港となったものであり、かかる調整状況等について、九州防衛局から西海市に対して事前に説明を行ったところである。
 なお、政府としては、御指摘のように「協定書という地元との重い約束を踏み破り、米軍の身勝手な訓練を容認し、訓練に伴う被害を一方的に地元に押しつける」という考えは有していない。

五及び八について

 一般論として、政府としては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)が、我が国の安全並びに極東の平和及び安全の維持に寄与するため、米軍の我が国への駐留を認めていることは、別段の定めがある場合を除き、米軍がかかる目的の達成のため、訓練を含め、軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としているものと考えている。
 一方、米軍は全く自由に訓練等を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであることはいうまでもなく、米軍もこの点には十分留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知しているが、政府としては、引き続き、協定書を踏まえ、米軍に対し西海市の意見を伝えるとともに、LCACの訓練に当たっては、最大限の安全面の確保及び地域住民の生活環境への配慮を要請していく考えである。

六について

 個々の報道の内容に関し、政府としてコメントすることは差し控えたいが、米軍から、御指摘の「認識」が示されたとは承知していない。