質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一四号

内閣参質一九五第一四号
  平成二十九年十一月二十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員糸数慶子君提出米軍ヘリ炎上事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出米軍ヘリ炎上事故に関する質問に対する答弁書

一、二及び五について

 平成二十九年十月十一日に沖縄県国頭郡東村高江で発生したCH五三Eの事故(以下「本件事故」という。)に関する米側との個別のやり取りについては、相手国との関係もあり、その詳細についてお答えすることは差し控えたい。

三について

 お尋ねについては、米軍の運用に関することであり、政府としてお答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、政府としては、米軍機の飛行に際しては、安全の確保が大前提であると考えており、米側に対し、引き続き事故の再発防止を強く求めてまいりたい。

四について

 お尋ねの「調査」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事故後、沖縄防衛局及び沖縄県の関係者等が事故現場の状況を確認するとともに、放射能調査、土壌調査等を実施したところである。

六について

 お尋ねの「沖縄県議会及び名護市議会の抗議決議で求められた六項目」についての政府の見解は、次のとおりである。
 「民間地上空及び水源地上空での米軍機の飛行訓練を中止すること」については、政府としては、米軍は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安全保障条約」という。)の目的達成のため、その能力を維持するための訓練を行っているものと認識しているが、他方、米軍が、訓練に当たり、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払うのは当然であると考えており、引き続き、安全面に最大限の配慮を求め、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れてまいりたい。
 「東村高江周辺六カ所のヘリパッドの使用を禁止すること」については、沖縄県国頭郡東村高江周辺六か所へのヘリコプター着陸帯の移設等によって可能となった北部訓練場の過半の返還は沖縄県内の在日米軍施設・区域の面積の約二割に当たる本土復帰後最大の返還であり、沖縄の負担を軽減するものであったと考えている。他方、ヘリコプター着陸帯の使用により影響を受ける同郡国頭村や東村の方々への配慮は重要であると考えており、引き続き、米軍に対し、安全面に最大限の配慮を求め、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れてまいりたい。
 「事故の徹底した原因究明と情報公開を速やかに行うこと」については、現在、米側において本件事故についての調査が行われていると承知しており、その結果については、関係地方公共団体等に説明する等適切に対応していく考えである。
 「被害に遭った地主に対し日米両政府で責任を持って補償を行うこと」については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第十八条5等の規定に従い、適切に対応していく考えである。
 「キャンプ・シュワーブの五カ所のヘリパッドを撤去すること」については、政府としては、米軍は、日米安全保障条約の目的達成のため、平素からキャンプ・シュワブのヘリコプター着陸帯の使用を含め、必要な訓練等を行っているものと認識しているが、他方、米軍が、訓練等に当たり、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払うのは当然であると考えており、引き続き、安全面に最大限の配慮を求め、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れてまいりたい。
 「日米地位協定を抜本的に改定すること」については、日米地位協定をめぐり様々な意見があることは承知しているが、日米地位協定は合意議事録等を含んだ大きな法的な枠組みであり、政府としては、日米地位協定について、これまで、手当てすべき事項の性格に応じて、効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきているところであり、引き続き、そのような取組を積み上げることにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求していく考えである。
 また、お尋ねの「ヘリパッドの使用頻度(機種及び月ごとの離着陸回数)」については、米軍の運用に関することであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

七について

 お尋ねの「米軍によって搬出された土」については、米側から、北部訓練場へ運搬した旨の説明を受けているが、その処理等の詳細については米側に照会中であり、現時点でお答えすることは困難である。