質問主意書

第195回国会(特別会)

質問主意書


質問第四九号

佐藤外務副大臣の就任挨拶が日本外交を武断政治に陥らせることについての河野外務大臣の認識等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年十二月八日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   佐藤外務副大臣の就任挨拶が日本外交を武断政治に陥らせることについての河野外務大臣の認識等に関する質問主意書

 佐藤正久外務副大臣は、本年十二月五日の参議院外交防衛委員会での就任の挨拶において「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える決意であります。」と述べ、十二月七日の同委員会においてこの挨拶の内容について「外務副大臣として国民の負託に応え、その職務を全うするという私の基本的姿勢、これを述べたもの」と答弁している。
 これについて、以下質問する。

一 河野太郎外務大臣は、十二月五日の同委員会において、佐藤外務副大臣の挨拶について「外務省の職員も、いざというときには、国民を守るためには危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める必要があるというのは、これは公務員として変わりません。」と答弁しているが、このような「必要」を外務省職員が負うことを定めた法制度上の根拠を示されたい。

二 前記「一」について、外務省職員が入省時に行っている国家公務員法第九十七条に基づく「服務の宣誓」からこうした「必要」が読み取れるのかを説明されたい。

三 佐藤外務副大臣の挨拶を肯定し擁護する河野外務大臣は、一般に外務大臣が国会におけるその就任挨拶(所信表明等)で大臣職務の基本的姿勢の表明として「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える決意であります。」と述べることは国政が武断政治に陥ることを防ぐためとする憲法第六十六条第二項の文民条項の趣旨や外務省設置法などとの関係において、全く何の問題も生じ得ないと考えているのか。

四 武人たる自衛隊員の自衛隊法上の「服務の本旨」及び「服務の宣誓」の文言を用いた佐藤外務副大臣の挨拶を肯定し擁護する河野外務大臣は、戦前の日本外交が武断政治に陥ってしまった歴史をどのように評価しているのか明確に示されたい。その上で、佐藤外務副大臣のこのような暴挙を許すことは、日本外交を武断政治に陥らせることになると考えないのか、河野外務大臣の見解を示されたい。

  右質問する。