第195回国会(特別会)
質問第四六号 自衛隊を違憲あるいは違憲の疑いとする憲法学者に対する安倍政権の認識に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十九年十二月八日 小西 洋之
参議院議長 伊達 忠一 殿 自衛隊を違憲あるいは違憲の疑いとする憲法学者に対する安倍政権の認識に関する質問主意書 一 安倍総理は平成二十九年十一月二十七日の衆議院予算委員会において「憲法学者の中においても、合憲と言い切る憲法学者は二割しかいないわけでありまして、違憲の疑い、あるいは合憲と言い切れないということを合わせますと、七割を超える憲法学者がそう述べているところでございます。」と述べているが、これはどのような調査等を根拠としたものか明らかにされたい。また、当日の同委員会での答弁で指摘している朝日新聞社の調査以外に、自衛隊を違憲あるいは違憲の疑いがあるとする憲法学者の割合に関する調査等で政府が承知しているものをそこに示されている割合の数字と共に明らかにされたい。 二 自衛隊を違憲とする学説のうち、憲法第九条を我が国として一切の武力組織を保有することを禁止したものと理解するものがあるが、前記の「違憲の疑い、あるいは合憲と言い切れないということを合わせますと、七割を超える」との発言について、憲法第九条をこのような我が国が完全な非武装しか許されないことを定めたものと理解する憲法学者は「七割を超える」憲法学者の中にどれほどの割合で存在すると承知しているか。 三 自衛隊違憲論を唱える憲法学者には、憲法第九条は我が国が必要最小限度の実力を有することまでは禁止していないが自衛隊の組織や装備の実態が憲法第九条第二項の戦力の不保持に照らし違憲であるとの見解に立つ者が相当数いるところ、一方で歴代政府においても攻撃型空母などの装備を自衛隊が保有することは憲法第九条第二項の戦力の不保持に照らし違憲になるとしているところである。だとすれば、「憲法学者の中においても、合憲と言い切る憲法学者は二割しかいないわけでありまして、違憲の疑い、あるいは合憲と言い切れないということを合わせますと、七割を超える憲法学者がそう述べているところでございます。」といった単純な主張のみを自衛隊明記の改憲の必要性の根拠として訴えることは不適切な印象操作というべきものではないか。 右質問する。 |