質問主意書

第195回国会(特別会)

質問主意書


質問第三一号

沖縄県の米軍キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場で起きた被弾事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年十二月六日

糸数 慶子   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   沖縄県の米軍キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場で起きた被弾事件に関する質問主意書

 沖縄県の地元紙である沖縄タイムス等は、本年四月十五日付紙面において、米軍キャンプ・ハンセン内の安富祖ダム工事現場で銃弾のような物が見つかり、水タンクが破損し、日本人作業員の車両に傷がついていた(以下「本被弾事件」という。)と報じた。本被弾事件は、その後の捜査状況や原因究明、再発防止に向けた日本政府の取り組み等が明らかにならないまま半年が経過し、本年十一月に至って防衛省沖縄防衛局が米軍側の調査結果等を沖縄県に伝えた。
 米軍基地からの流弾とみられる事案は過去にもあり、二〇〇八年十二月には、金武町伊芸区の住宅に止めてあった乗用車のナンバープレートから流弾とみられる五十口径の銃弾が見つかる事件があった。しかし真相の究明には至らず放置されたままである。
 本被弾事件をはじめとして米軍基地から派生する事件、事故等は県民の生命、財産を奪いかねない極めて危険な事態を招くおそれがあるにも関わらず、日米地位協定の「壁」に阻まれ原因等の真相究明がなされていない。県民の生命、財産を守り、安全、安心な暮らしを確保するうえで徹底した原因等の真相究明が求められる。
 よって、以下、質問する。

一 本被弾事件に対する日本政府の見解を示されたい。

二 本被弾事件の経緯について、日本政府が承知しているところを時系列で明らかにされたい。

三 米軍側の調査結果によると、本被弾事件の物的証拠である銃弾は、長射程七・六二ミリ弾で海兵隊が長距離射撃訓練で使用するものと同タイプであり、本年四月三日から五日の間にキャンプ・ハンセン内射撃場の訓練で使用したものだとしている。この米軍側の調査結果に対する日本政府の見解を示し、水タンクの破損と日本人作業員の車両についた傷が当該射撃訓練により被弾したものであるかどうか、関連性を明らかにされたい。また、当該射撃訓練により被弾したものであると断定された場合、どのような補償が行われるのか、明確にされたい。

四 本被弾事件を刑事事件として立件できるのか否かについて日本政府の見解を根拠とともに明らかにされたい。

五 日本政府は米国政府に対し、本被弾事件について抗議を行ったのか。抗議を行ったのであれば抗議の方法及び内容を明らかにされたい。

六 日本政府は米国政府に対し、本被弾事件について原因究明や捜査又は調査等への協力を申し入れたのか。申し入れたのであればその方法及び内容を明らかにされたい。

七 日本政府は米国政府に対し、本被弾事件について具体的な再発防止策を講じるよう申し入れたのか。申し入れたのであれば、その内容と米国政府側の回答を示されたい。

八 前記二〇〇八年十二月の事件について、その後の経過を日本政府が承知している範囲で明らかにされたい。

  右質問する。