質問主意書

第195回国会(特別会)

質問主意書


質問第一四号

米軍ヘリ炎上事故に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年十一月十五日

糸数 慶子   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   米軍ヘリ炎上事故に関する質問主意書

 沖縄県議会(新里米吉議長)は本年十月十六日の本会議において、同月十一日に沖縄県東村高江の民間地で起きた米軍普天間飛行場所属のCH53E大型ヘリコプターの炎上事故(以下「本炎上事故」という。)に対する抗議決議を全会一致で可決した。同決議では、(1)民間地上空および水源地上空での米軍機の飛行訓練を中止すること、(2)東村高江周辺六カ所のヘリパッドの使用を禁止することを求めている。
 また、沖縄県議会の抗議決議と同様に、同月二十四日には名護市議会(屋比久稔議長)が抗議決議を全会一致で可決した。同決議では、(1)事故の徹底した原因究明と情報公開を速やかに行うこと、(2)民間地上空及び水源地上空での米軍航空機の飛行訓練を中止すること、(3)東村高江地区周辺六カ所のヘリパッドの使用を禁止すること、(4)被害に遭った地主に対し日米両政府で責任を持って補償を行うこと、(5)キャンプ・シュワーブの五カ所のヘリパッドを撤去すること、(6)日米地位協定を抜本的に改定することを求めている。
 沖縄県議会と名護市議会における抗議決議は、度重なる米軍の航空機事故に対する県民の怒りと、事故後の徹底した原因究明や情報公開をないがしろにして安易に本炎上事故の事故機と同型機の飛行再開を認める日本政府への抗議である。沖縄県民及び日本国民の生命、財産を守り安全、安心な暮らしを確保する観点から以下、質問する。

一 本炎上事故の事故機の同型機は、本年十月十八日に飛行を再開した。飛行再開に際し米国政府から日本政府に伝達された公式な文書について、日時、送り主名及び宛先名、文書の見出し、文書の書式、文面の全文並びに伝達の手段(郵送、電子メール、直接手交等、どのような方法で伝達されたか)を明らかにされたい。

二 前記一の文書に対する日本政府から米国政府への返答について、日時、送り主名及び宛先名、文書の見出し、文書の書式、文面の全文並びに伝達の手段を明らかにされたい。

三 本炎上事故の事故機の製造年月日、運用開始日、飛行時間、飛行距離、エンジントラブル等に伴う機体の修理・点検の年月日及び回数等の情報について、米国政府が明らかにしているのであれば、日本政府の承知している当該情報を全て公表されたい。米国政府が明らかにしていないのであれば、日本政府から米国政府に対し当該情報の開示を求める意向はあるか、日本政府の見解を示されたい。

四 本炎上事故について、日本側で調査を実施したか。実施していない場合、少なくとも、調査を行いたい旨の申入れを米国政府に対して行ったか。本炎上事故に対する日本政府の対応の経緯を明らかにされたい。

五 報道によると小野寺五典防衛相は本炎上事故の事故機と同型機の飛行再開を受け十月十八日、記者団に対し「安全性に関する米側の判断の根拠について十分な説明が得られないまま、飛行が再開されていることは誠に遺憾」である旨述べたとされるが、米国政府に対し、同趣旨の内容は文書等で公式に伝達されているのか。伝達されているのであれば、当該文書等の公式な文面又は文言を明らかにされたい。

六 前記の沖縄県議会及び名護市議会の抗議決議で求められた六項目それぞれについて、日本政府の見解を示されたい。
 あわせて、高江地区周辺六カ所のヘリパッドの使用頻度(機種及び月ごとの離着陸回数)について、日本政府の承知するところを示されたい。

七 本炎上事故の現場から米軍によって搬出された土の搬出先及び処理について、日本政府の承知しているところを明らかにされたい。

  右質問する。