質問主意書

第194回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九号

財務省「予算執行調査」における調査事案「診療報酬(調剤関係)」の取り扱いにおける財務省の基本的な姿勢に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年九月二十八日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   財務省「予算執行調査」における調査事案「診療報酬(調剤関係)」の取り扱いにおける財務省の基本的な姿勢に関する質問主意書

一 財務省は、平成二十九年度予算執行調査の調査事案として「診療報酬(調剤関係)」を選定して、現在、その調査に着手していると聞く。ついては、この調査において、保険診療における調剤にかかる報酬についてどのような観点から予算執行の内容を評価するのか明らかにされたい。また、財務省においては、医薬分業にかかる予算執行の中身を評価するに当たって、そもそも論として医薬分業の意味を正しく理解し、医療安全という観点から評価するだけの知見を有しているのかどうかについて明らかにされたい。

二 公益社団法人神奈川県薬剤師会が平成二十九年七月に実施した「マル防・疑義照会調査」によれば、調査対象となった処方せん十一万四千二百五十四枚の一・二九%にあたる千四百七十六枚に「処方せんの内容変更を必要とする」処方せんが確認されたという。同会によれば、前年に実施された同規模の調査結果でも「処方せんの内容変更を必要とする」処方せんが同程度確認されたということである。これらの結果から考察されるのは、概ね一%の確率で「処方せんの内容変更を必要とする」処方せんが医師から発行され、これが薬剤師の処方鑑査によって発見され、事故などが未然に防がれるか、あるいは患者本位の医療が達成されるべく処方内容の改善が実行されているということである。こうした医療事故を未然に防ぐための安全管理という視点や医療の質を高めるための専門家としての介入などは、数値として評価されるものでなく、量的に評価することは困難なものである。財務省にあっては、医薬分業にかかる予算執行の中身を評価するに当たり、こうした安全管理などの項目を評価対象としているのかどうかについて明らかにされたい。また、評価対象としているのであれば、どのような評価方法を考えているのかも明らかにされたい。なお、万一、医薬分業の本来機能の一つである医薬品の専門家による二重チェックという本質部分が評価対象から割愛されている場合、予算執行評価としては著しく正当性を欠くものとなるのではと危惧するところであるが、政府の見解如何。

  右質問する。