質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第九六号

内閣参質一九三第九六号
  平成二十九年五月十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出米空母カール・ビンソンとの共同訓練が憲法第九条違反であること等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出米空母カール・ビンソンとの共同訓練が憲法第九条違反であること等に関する質問に対する答弁書

一から五までについて

 お尋ねの「自衛隊が平成二十九年四月十六日以降に行った米軍との各共同訓練」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、例えば、自衛隊は、戦術技量の向上及び米軍との連携強化を目的として、四月十六日から同月二十一日まで米空軍戦闘機と、同月二十三日から同月二十九日まで米空母カール・ヴィンソン等と、同月二十五日、米艦艇フィッツジェラルドと、同月二十八日、同空母艦載機等と、それぞれ各種戦術訓練を実施している。これらの共同訓練に関するお尋ねの「北朝鮮」及び「北朝鮮以外の国際社会」の認識について政府としてお答えする立場にないが、いずれにせよ、憲法第九条第一項の「武力による威嚇」とは、現実にはまだ武力を行使しないが、自国の主張、要求を入れなければ武力を行使するとの意思、態度を示すことにより、相手国を威嚇することであると考えており、このような自衛隊の戦術技量の向上及び米軍との連携強化を目的とする共同訓練の実施がこの「武力による威嚇」に当たらないことは明らかであり、「憲法第九条に違反する」との御指摘は当たらない。また、このような共同訓練は国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)上も何ら問題はないと考えている。

六及び七について

 仮定の質問についてお答えすることは差し控えたいが、政府としては、一から五までについてで述べた共同訓練の実施を通じて、日米の連携強化が図られることにより、日米同盟の抑止力及び対処力が一層強化されたものと考えている。
 いずれにせよ、我が国に対する武力攻撃に対しては、国民の生命・財産と領土・領海・領空を確実に守り抜く考えである。