質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第八七号

内閣参質一九三第八七号
  平成二十九年四月二十八日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員川田龍平君提出六ヶ所再処理工場の高レベル廃液とそのガラス固化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出六ヶ所再処理工場の高レベル廃液とそのガラス固化に関する質問に対する答弁書

一について

 日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)の再処理事業所に設置されている再処理設備及びその附属施設(以下「六ヶ所再処理施設」という。)における再処理の事業については、平成二十六年一月七日付けで、日本原燃から、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第四十四条の四第一項の規定に基づく再処理の事業に係る変更の許可を求める申請(以下「再処理事業変更許可申請」という。)がなされ、現在、六ヶ所再処理施設について、原子力規制委員会において、原子炉等規制法及び原子炉等規制法の規定に基づく原子力規制委員会規則等に定める基準(以下「新規制基準」という。)に係る適合性審査を行っているところである。六ヶ所再処理施設の高レベル放射性液体廃棄物については、一連の適合性審査等を行っている間は、御指摘の「ガラス固化」を開始することが認められないことから、冷却機能を確保して保管することが重要と考えている。

二について

 日本原燃が六ヶ所再処理施設において製造したガラス固化体については、使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号)第八条の規定により、当該ガラス固化体を廃棄施設に廃棄した都度、当該ガラス固化体に含まれる放射性物質の数量等を記録し、これを保存しておかなければならないこととされているが、当該ガラス固化体に含まれる放射性物質の放射能量について公表すべきこととはされておらず、公表の要否については日本原燃が判断すべきものと考えている。

三及び四について

 一についてでお答えしたとおり、平成二十六年一月七日付けで、日本原燃から、再処理事業変更許可申請がなされ、現在、六ヶ所再処理施設について、原子力規制委員会において、新規制基準に係る適合性審査を行っているところである。当該適合性審査が終了した後、日本原燃から原子炉等規制法第四十五条の規定に基づく設計及び工事の方法の認可の申請がなされれば、これについても新規制基準に係る適合性審査を行い、これらの一連の適合性審査が終了した後、原子炉等規制法第四十六条第一項の規定に基づく使用前検査を実施し、高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉を含め、再処理設備及びその附属施設の工事が原子炉等規制法第四十五条第一項の認可を受けた設計及び方法(同条第二項又は第四項の規定による変更の認可又は届出があったときは、その変更後のもの)に従って行われていること及びその性能が原子炉等規制法第四十六条の二の二の技術上の基準に適合するものであることを確認すること等としている。
 このため、政府としては、新規制基準に係る適合性審査を優先して行うことが必要であると判断し、日本原燃から提出された「再処理施設アクティブ試験におけるガラス固化試験結果等に係る報告について」は、その内容の確認を行っていない。
 また、御指摘の「アクティブ試験の第五ステップの終了報告」については、現時点において日本原燃から提出されておらず、御指摘の「アクティブ試験の第五ステップの終了報告」、「アクティブ試験全体の報告」及び「ガラス固化試験の終了報告」の取扱いについては、現時点においては決まっていない。

五について

 日本原燃による御指摘の「海洋モニタリング」に関するお尋ねについては、先の答弁書(平成二十七年五月十二日内閣参質一八九第一二一号)五についてでお答えしたとおりであり、御指摘のように「原燃が当該データを操作し虚偽の報告を国に行った可能性がある」とは考えていない。また、青森県による御指摘の「海洋モニタリング」については、同県が独自に実施したものと承知しているが、政府として、その結果について、お答えする立場にない。

六について

 お尋ねについては、先の答弁書(平成二十七年七月二十八日内閣参質一八九第二〇六号)二についてでお答えしたとおりである。

七について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「ガラス固化試験報告書」については、三及び四についてでお答えしたとおりである。