質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第三五号

内閣参質一九三第三五号
  平成二十九年二月二十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出南スーダンPKOに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出南スーダンPKOに関する質問に対する答弁書

一について

 南スーダン共和国のジュバにおいて、平成二十八年七月に大規模な武力衝突が発生し、その後も地方部を中心に武力衝突や一般市民の殺傷行為が度々生じており、治安情勢は厳しいと認識しているが、ジュバについては、今後の状況は楽観できず、引き続き注視する必要があるものの、現在は比較的落ち着いていると認識している。現時点においても、国際連合南スーダン共和国ミッションに派遣されている自衛隊の部隊は、治安情勢を注視しながら道路等の維持補修等を実施しており、また、我が国の活動は南スーダン共和国政府から高く評価されていることから、我が国として、安全を確保しつつ有意義な活動を実施することができていると考えている。

二について

 御指摘の「南スーダン国際平和協力業務実施計画の変更」は、「南スーダン国際平和協力業務実施計画の変更について」(平成二十八年十一月十五日閣議決定)により行ったものであり、お尋ねの趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの棄権の理由については、政府として、南スーダン共和国の平和と安定に資するかという観点から検討し、御指摘の国際連合安全保障理事会決議の採決に当たり、棄権したものである。
 また、お尋ねの過去の事例については、御指摘の「紛争地域への武器禁輸」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 国際平和協力手当は、国際平和協力業務が行われる派遣先国の勤務環境及び国際平和協力業務の特質に鑑み支給されるものであり、賞じゅつ金は、自衛隊員が、一身の危険を顧みることなく職務を遂行し、そのため死亡し、又は障害の状態となったときに、功労の程度に応じて授与されるものであるところ、平成二十八年十一月十五日に「南スーダン国際平和協力業務実施計画」(平成二十三年十一月十五日閣議決定)を変更し、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)第六条第二項第二号イに規定する実施すべき国際平和協力業務として、同法第三条第五号ラに掲げる業務に係る国際平和協力業務を追加し、当該業務を新たな任務として付与することに伴って、国際平和協力手当及び賞じゅつ金の充実を図ることとしたものであって、このことは、御指摘のように「危険やリスクが高まったからこそ国際平和協力手当や賞じゅつ金の額を引き上げた」ものではない。
 また、御指摘の新たな予算の増額はないとする答弁が具体的にどの答弁を指すのか明らかではないが、平成二十七年八月二十四日の参議院予算委員会における安倍内閣総理大臣の答弁を指すのであれば、当該答弁は、「基本的に、新たな法制により全く新しい装備が必要になったり、装備や自衛官の定員あるいは防衛費の大増強が必要になるということはありません」と述べたものであり、同実施計画に定められた国際平和協力業務を実施する上で必要となる国際平和協力手当及び賞じゅつ金の充実を図ることを否定するものではない。