質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質一九三第一七号
  平成二十九年二月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員藤末健三君提出公職の選挙におけるインターネット上の偽ニュースへの対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出公職の選挙におけるインターネット上の偽ニュースへの対策に関する質問に対する答弁書

 サイバーセキュリティ対策の強化に向け、総務省では、サイバー攻撃に関する情報の提供等を通じて、プロバイダ等における情報共有の活動を支援している。
 また、御指摘の「偽ニュースへの対策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、公職の選挙におけるインターネット上の誹謗中傷やなりすまし等への対策に関しては、例えば、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)において、次のような事項が規定されている。
 まず、責任ある情報発信を促すため、ウェブサイト上で選挙運動用文書図画や当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者に電子メールアドレス等の表示義務が課されている(同法第百四十二条の三第三項及び第百四十二条の五第一項)。また、電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布については、誹謗中傷やなりすましに悪用されやすいこと等を踏まえ、公職の候補者や候補者届出政党等が行うものに限って認められている(同法第百四十二条の四第一項)。さらに、当選を得又は得させる目的をもって公職の候補者等の身分、職業又は経歴等に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処することとされ(同法第二百三十五条第一項)、当選を得させない目的をもって公職の候補者等に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処することとされている(同条第二項)ほか、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって真実に反する氏名、名称又は身分の表示をして郵便等、電報、電話又はインターネット等を利用する方法により通信をした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処することとされている(同法第二百三十五条の五)。
 また、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第三条の二においては、選挙運動の期間中に頒布された同条第一号に規定する特定文書図画が公職選挙法第百四十二条の三第三項又は第百四十二条の五第一項の電子メールアドレス等の表示義務に違反している場合に、自己の名誉を侵害されたとする公職の候補者等の申出を受けてプロバイダ等が当該情報を削除したことにより情報の発信者に生じた損害について賠償の責めに任じないものとする等の特例が定められている。