質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一六六号

天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月十六日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問主意書

一 天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成二十九年法律第六十三号)附則第三条においては、皇室典範の附則に「この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法(中略)は、この法律と一体を成すものである。」との規定を新設すると規定している。
 ここにいう「一体を成すものである」との規定の法的な意味について具体的かつ分かりやすく説明されたい。この際、「特別法は一般法を破る」と称される法の普遍原則ともいうべき原則があるものと承知しているところ、一般法たる皇室典範と特別法たる天皇の退位等に関する皇室典範特例法がこの場合にどのような法的な関係として存在していることになるのかについても、具体的かつ分かりやすく説明されたい。

二 憲法第九十六条第二項の「この憲法と一体を成すものとして」における「一体を成すものとして」とは法的にどのような意味か。具体的かつ分かりやすく説明されたい。

三 前記一の「一体をなすものである」と前記二の「一体をなすものとして」の法的な意味の差異について、具体的かつ分かりやすく説明されたい。

四 天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、第一条において「国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること」と規定している。私は一国会議員として、これまで天皇陛下が御高齢に至るまで象徴としての公的な御活動に精励してこられたことに対して深く敬愛の念を抱くところであるが、他方で、地元活動で様々な国民と触れ合う中で、天皇制に対して消極的な考え方を有する方や法律の専門家の方などから本法の「敬愛し」との文言について否定的な見解が示されることがあったのも事実である。
 そこで、本法にいう「国民は(中略)天皇陛下を深く敬愛し」とは、当然ながら、日本国民の全員がひとしく天皇陛下を深く敬愛しているとの意味であるのではなく、例えば、「広く国民の間に、天皇陛下が御高齢に至るまで象徴として公的な御活動に精励してこられたことに対して深く敬愛の気持ちがあることが確認できる」といったような趣旨の規定であると解して良いか、あるいは、どのような意味の規定と受け止めるべきか。政府の見解を示されたい。

  右質問する。