第193回国会(常会)
質問第一六五号 七・一閣議決定の法的安定性と論理的整合性の意味等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十九年六月十六日 小西 洋之
参議院議長 伊達 忠一 殿 七・一閣議決定の法的安定性と論理的整合性の意味等に関する質問主意書 一 平成二十六年七月一日の「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(いわゆる七・一閣議決定)の、「三 憲法第九条の下で許容される自衛の措置」の(一)の項目には、「政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。」との記載があるが、この「論理的整合性」と「法的安定性」との文言のそれぞれの意味について、具体的かつ分かりやすく説明されたい。 二 安倍政権において、なぜ、「政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。」と考えるのか。その見解が意味するところを、例えば、政府の憲法解釈に論理的整合性と法的安定性が失われた場合にはどのような問題が生じると考えているのかなども含めて、具体的かつ分かりやすく説明されたい。 三 政府はこれまで、憲法を始めとする法令の解釈の在り方について、「憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。」としているところであるが、この政府の見解の中の文言について、前記一の「論理的整合性」と「法的安定性」とそれぞれ概念として近しいものがあれば示されたい。例えば、「議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきもの」との文言は、前記一の「論理的整合性」と「法的安定性」とどのような関係にあるか。 四 前記三の政府における憲法を始めとする法令の解釈の在り方に関する見解と前記一の「政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。」との見解にはどのような関係があるのか。その関係性について、具体的かつ分かりやすく説明されたい。 右質問する。 |