第193回国会(常会)
質問第一六一号 国家戦略特区ワーキンググループの議事要旨等の公表に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十九年六月十六日 田村 智子
参議院議長 伊達 忠一 殿 国家戦略特区ワーキンググループの議事要旨等の公表に関する質問主意書 国家戦略特別区域基本方針(以下「基本方針」という。)は「情報公開の徹底を図り、透明性を十分に確保すること。」を国家戦略特別区域(以下「国家戦略特区」という。)制度の運用の原則の最初にあげている。安倍総理をはじめ政府は、国会の場でも議論を公開することで透明性の高い制度となっている旨の答弁を繰り返している。しかし、規制緩和を推進するために提案者からヒアリングを行い、それをもとに関係省庁等と交渉を行っている国家戦略特区ワーキンググループ(以下「ワーキンググループ」という。)の配布資料や議事要旨または議事概要(以下「議事要旨等」という。)の公表がほとんど進んでいない。国家戦略特区制度は透明性が高いというのであれば、まず基本的な資料である配布資料や議事要旨等の公表が必要であり、直ちに行わなければならない。その観点から以下、質問する。 一 ワーキンググループの提案に関するヒアリングの年度ごとの開催数(ヒアリング事項を単位として数える)、そのうち配布資料が公表されているヒアリングの数および配布資料が無いヒアリングの数、議事要旨等が公表されているヒアリングの数をそれぞれ明らかにされたい。 二 ワーキンググループの関係省庁等からのヒアリングの年度ごとの開催数(ヒアリング事項を単位として数える)、そのうち配布資料が公表されているヒアリングの数および配布資料が無いヒアリングの数、議事要旨等が公表されているヒアリングの数をそれぞれ明らかにされたい。 三 ワーキンググループの議事要旨等の公表状況をみると、今年度、昨年度についてほとんど公表されておらず、それ以前も公表が非常に遅れている。この理由について、未公表の議事要旨等のほとんどは文字起こしが済んでいるが、民間議員のチェックが済んでいないため公表が遅れているためであると、説明を受けている。 1 ワーキンググループの提案に関するヒアリングの未公表の議事要旨等のうち、民間議員にチェックを依頼し、そのチェックが済んでいないため公表ができていないものの数を年度ごとに明らかにされたい。 2 ワーキンググループの関係省庁等からのヒアリングの未公表の議事要旨等のうち、民間議員にチェックを依頼し、そのチェックが済んでいないため公表ができていないものの数を年度ごとに明らかにされたい。 四 民間議員のチェックが遅れているため、何年も議事要旨等の公表が遅れていることについて、政府はどのように認識しているか。民間議員の姿勢は透明性の確保を掲げる基本方針からの逸脱がはなはだしいと考えるが、政府の見解はいかがか。 五 国家戦略特別区域諮問会議運営規則において、同会議の終了後、速やかに議事要旨を作成し、公表することとされ、さらに公表までの期間についても三日以内に公表するよう努めることとされている。第一回ワーキンググループにおいても八田座長、原委員が原則公開という意見を述べられている。ワーキンググループでの議論や、国家戦略特別区域諮問会議運営規則にならってワーキンググループにおいて非公開とされた回以外の議事要旨は速やかに公表されるべきではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。また、国家戦略特別区域諮問会議のように最終的に会議録を公開すべきではないか。 六 民間議員に対して議事要旨等のチェックの期限を設け、異議が出されなければ了承したとみなすようにするなど、速やかに議事要旨等が公表されるよう措置を講ずるべきではないか。また、現在公表が遅れている配布資料や議事要旨等についていつまでに作業を終わらせて公表するつもりか、政府の見解を明らかにされたい。 七 首相官邸ホームページのワーキンググループのページを見る限り、配布資料が無かったのか、非公表なのか区別がつかない。これを明確に区別できるようにすべきではないか。 八 ワーキンググループの提案に関するヒアリング、関係省庁等からのヒアリングの配布資料、議事要旨等について非公表とされているものがあるが、そのヒアリングごとに理由を明らかにされたい。政府が国家戦略特区制度は透明性が高いというのであれば、直ちにすべての配布資料、議事要旨等を公開すべきと考えるが政府の見解を明らかにされたい。 右質問する。 |