質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一四八号

教育における過度の競争の是正に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月十五日

藤末 健三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   教育における過度の競争の是正に関する質問主意書

 近年の我が国の教育政策は、子どもたち、学校、教員それぞれの間に過度の競争主義を導入する方向に舵を切っているが、それらは今日、看過しがたい弊害を招いている。全国学力・学習状況調査の悉皆実施により、地方自治体間・学校間の競争意識が増大し、過去問使用による過剰なテスト対策が行われている。また、学校選択制や公立小中・中高一貫校の導入により、競争の早期化も起きている。
 平成二十七年八月に独立行政法人国立青少年教育振興機構が公表した「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」からは、我が国の高校生の自己肯定感が低いことが読み取れるが、その一因として、成績偏重の学力評価による過度の競争主義の導入により、多くの子どもたちが挫折感を味わっていることが考えられ、それに伴い子どもの人間性や多様な能力の成長発達が阻害されてしまうことが懸念される。
 ついては、政府は、過度に競争的な教育環境が子どもたちに負の影響を及ぼすことがないよう、全国学力・学習状況調査や学校選択制等を始めとする競争主義的な教育施策が今日の学校現場に及ぼす影響を総合的に検証し、その結果に応じて必要な見直しを行うべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。