質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一一六号

いわゆる昭和四十七年政府見解と武力行使の新三要件との関係等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年五月二十五日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   いわゆる昭和四十七年政府見解と武力行使の新三要件との関係等に関する質問主意書

一 いわゆる昭和四十七年政府見解にある「右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」という文言の意味について、安倍内閣の理解においては、これは、二〇一四年七月一日の閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(以下「七・一閣議決定」という。)の中で「従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理」の一部分として示されている「そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される」との文言と同じ意味のものであると解して良いか。

二 いわゆる昭和四十七年政府見解にある「右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」という文言の意味について、安倍内閣の理解においては、これは、二〇一四年七月一日の七・一閣議決定の中で示されている「従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った」とするところの「必要最小限度の実力を行使すること」との文言と同じ意味のものであると解して良いか。

三 いわゆる昭和四十七年政府見解にある「右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」という文言の意味について、安倍内閣の理解においては、これは、法理として、いわゆる武力行使の新三要件のうちの第三要件「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」に該当するものと解して良いか。

四 武力行使の新三要件の第一要件「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」とは、二〇一四年七月一日の七・一閣議決定の中でいわゆる昭和四十七年政府見解の中に「明確に示されているところである」としているところの「従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理」に、二〇一四年七月一日現在の我が国を取り巻く安全保障環境の根本的な変容という問題意識をあてはめた結果として得られたものなのか、安倍内閣の認識を示されたい。

五 武力行使の新三要件の第一要件「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」とは、二〇一四年七月一日の七・一閣議決定の中でいわゆる昭和四十七年政府見解の中に「明確に示されているところである」としているところの「従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理」に基づき、二〇一四年七月一日現在の我が国を取り巻く安全保障環境の根本的な変容という問題意識の下に検討した結果、それと同趣旨の規範を構成する一要件として整理し作成したものなのか、安倍内閣の認識を示されたい。

  右質問する。