質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第九六号

米空母カール・ビンソンとの共同訓練が憲法第九条違反であること等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年五月一日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   米空母カール・ビンソンとの共同訓練が憲法第九条違反であること等に関する質問主意書

一 自衛隊が平成二十九年四月十六日以降に行った米軍との各共同訓練の内容とその目的について示されたい。

二 米軍の空母カール・ビンソンとともに平成二十九年四月二十三日以降に行った共同訓練の時点で、米軍の空母カール・ビンソンやそれが属する打撃群は、北朝鮮に対して武力による威嚇を行っていたのではないか。政府の見解を示されたい。

三 政府は、自衛隊が平成二十九年四月十六日以降に行った米軍との共同訓練について、特定の国又は地域を念頭に置いたものではないとしているが、これらの共同訓練が北朝鮮に対する軍事力に基づく圧力や示威行為であると北朝鮮から認識されていないと考えているのか、政府の見解を示されたい。また、同様に、北朝鮮以外の国際社会においても、これらの共同訓練が北朝鮮に対する軍事力に基づく圧力や示威行為であると認識されていないと考えているのか、政府の見解を示されたい。

四 自衛隊が米軍の空母カール・ビンソンと共同訓練を行った平成二十九年四月二十三日以降の時点で、米国トランプ大統領による「無敵艦隊を派遣した」旨の発言や米太平洋軍司令官による「北朝鮮に対する攻撃圏内に到達している」などの米国政府要人の発言が示すように、空母カール・ビンソンやそれが属する打撃群は北朝鮮の核兵器開発実験やミサイル発射実験などに対する武力による威嚇を行っており、それらと共同訓練を実施することは、当該武力による威嚇に荷担する行為として「武力による威嚇(中略)は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記する憲法第九条に違反する自衛隊の行動であると考えるが、政府の見解を示されたい。

五 前記四に関して、政府は、自衛隊が平成二十九年四月十六日以降に行った米軍との共同訓練の目的について自衛隊の戦術技量の向上と米軍との連携強化のためと説明しているが、武力による威嚇を行っている米軍の部隊とこうした目的を有する共同訓練を実施すること自体が当該武力による威嚇に荷担する行為として「武力による威嚇(中略)は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記する憲法第九条に違反する自衛隊の行動であると考えるが、政府の見解を示されたい。

六 仮に、米軍の空母カール・ビンソンとの共同訓練を含む平成二十九年四月十六日以降の米軍と自衛隊の共同訓練によって、北朝鮮が我が国について米空軍や空母カール・ビンソンやそれが属する打撃群などと共に積極的な軍事行動を行う国と見なし、それを口実に我が国に対して武力攻撃を行ってくる危険性について、政府はどのような認識でいるのか。

七 前記六に関して、仮に、今後において、北朝鮮が自衛隊が米軍と共同訓練を行ったことを口実に我が国に武力攻撃を行ってきた場合、安倍内閣は国民に対しどのような責任を取るつもりでいるのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。