質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第六二号

日朝平壌宣言と日朝国交正常化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年三月二十八日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日朝平壌宣言と日朝国交正常化に関する質問主意書

 日朝平壌宣言と日朝国交正常化に関する政府の方針について質問します。

一 平成十四年九月十七日の日朝平壌宣言には、「朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを二〇〇三年以降も更に延長していく意向を表明した」とあります。しかし、周知のとおり北朝鮮は累次にわたり弾道ミサイルを発射し、核実験も強行しました。
 政府は、北朝鮮がすでに日朝平壌宣言を自ら破棄したという認識をお持ちですか。

二 平成二十六年五月二十九日のいわゆるストックホルム合意文書の冒頭には、「双方は、日朝平壌宣言に則って、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現するために、真摯に協議を行った」とあります。
 私が、平成二十九年一月二十四日付けで提出した「国連安保理決議第二千三百二十一号に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第一五号)に対する答弁書(内閣参質一九三第一五号)の「二について」で、政府は「北朝鮮による核実験は、日朝平壌宣言に違反するものである」との見解を明らかにしています。
 政府は「北朝鮮による核実験は、ストックホルム合意に違反するものである」と考えていますか。

三 私が、平成二十八年十月二十日付けで提出した「安倍内閣の拉致問題に対する姿勢に関する質問主意書」(第百九十二回国会質問第一一号)に対する答弁書(内閣参質一九二第一一号)の「四について」で、政府は「北朝鮮との関係に関する政府の方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を実現していくというものである」としています。
 政府は、北朝鮮が日朝平壌宣言にことごとく違反して、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決にはほど遠い状況にある中で、北朝鮮との国交正常化を実現する突破口をどこに見いだそうとしているのですか。具体的にお示しください。

四 日朝国交正常化が実現した時点で、昭和四十年六月二十二日に日本と大韓民国の間で調印された「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約)」及び「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定(日韓請求権並びに経済協力協定)」は破棄することになるのですか。

五 政府は、日本が北朝鮮と国交正常化を実現するという方針は国民から支持されていると認識していますか。また、それはいかなる根拠による認識なのですか。

六 政府は、日本が北朝鮮と国交正常化を実現することによって得られる国益は何であるとお考えですか。

  右質問する。