質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第二七号

拉致問題の広報・啓発に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年二月十四日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   拉致問題の広報・啓発に関する質問主意書

 政府拉致問題対策本部が平成二十七年十月に発行した冊子「北朝鮮による日本人拉致問題」(以下「この冊子」とする)の記述に関し質問いたします。

一 政府は、この冊子の中で、「拉致問題は我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題です」と述べています。平成十四年九月の日朝首脳会談以降、政府は我が国の主権を守るためにどのような取組をしてきましたか。また、国民の生命と安全を守るためにどのような取組をしてきましたか。
 政府が取組んできた施策と国会に提出し制定された法律名(改正を含む)について明らかにして下さい。

二 この冊子の「日本政府の姿勢と取組体制」にある「拉致問題対策本部」について、平成二十五年一月二十五日の設置以降、会議を開いた日時について順を追って明らかにして下さい。

三 この冊子の「日本政府の姿勢と取組体制」にある「政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会」、「拉致問題に関する有識者との懇談会」について、会を構成するメンバー及び会議を開いた日時について順を追って明らかにして下さい。

四 この冊子の「日本政府の姿勢と取組体制」にある「必要に応じ設置する審議の場」について、これまでの設置状況、会を構成するメンバー及び会議を開いた日時について順を追って明らかにして下さい。

五 この冊子の「拉致問題Q&A」のQ2「なぜ北朝鮮は日本人を拉致したのですか?」には、「金正日国防委員長(当時)は、日本人を拉致した理由として、(一)北朝鮮のスパイに日本語を教えるため、(二)北朝鮮のスパイが日本人に成りすますため、と説明しています」とあります。政府は北朝鮮が日本人を拉致した理由についてどう認識していますか。

六 この冊子の「拉致問題Q&A」のQ6「どうなれば、拉致問題が解決したと言えるのですか?」には、「拉致問題の解決には、以下の三つを実現する必要があります。まずは、全ての拉致被害者の安全を確保し、すぐに帰国させること。そして、北朝鮮が、拉致の真相を明らかにすること。さらに、北朝鮮が、拉致を実行した者を日本に引き渡すこと」とあります。
 この冊子にあるとおり、この三つが実現しない限り拉致問題が解決したとは言えないという政府の方針に変更はありませんか。

七 この冊子の「拉致問題Q&A」のQ8「日本政府は、拉致問題を解決するために、北朝鮮に経済協力を行う考えですか?」には、「政府は、拉致問題の解決と引換えに北朝鮮に対して支援を行うという考えは一切ありません」とあります。政府のこの考えに、変更はありませんか。

八 この冊子の「拉致問題Q&A」のQ8「日本政府は、拉致問題を解決するために、北朝鮮に経済協力を行う考えですか?」には、「一方で、日朝間の最大の懸案である拉致問題を始めとする諸懸案が解決し、日朝国交正常化が実現すれば、日朝平壌宣言に則り、北朝鮮への経済協力が実施されることになります」とあります。
 この諸懸案には、いわゆるストックホルム合意に明記されている「全ての日本人に関する調査」が含まれているのですか。

  右質問する。