質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇号

介護職員処遇改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年二月二日

伊藤 孝恵   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   介護職員処遇改善に関する質問主意書

 平成二十九年一月十八日の第百三十五回社会保障審議会介護給付費分科会に平成二十九年度介護報酬改定についての諮問がなされ、同日同分科会は、諮問の通り了承するとの答申をした(以下「今回の答申」という。)。これにより、介護職員処遇改善加算に新たな区分が設けられ、新区分の加算額は現在の最高加算額と比較して約一万円増額の月額約三万七千円、年額約四十四万円となる。
 一方、この加算は介護保険適用事業所の職員についてのみ適用されるため、介護保険が適用されない医療機関に勤務している看護補助者はその恩恵に与れない。医療機関の看護補助者の人員は法令で規定されているが、年収で約四十四万円違うと、医療機関に勤務している介護福祉士等の看護補助者は介護保険適用事業所に転職し、医療機関では看護師不足同様に看護補助者の確保が困難になる可能性がある。介護保険適用事業所の介護者は介護福祉士の資格が必須ではないことから、介護福祉士の資格を持たない看護補助者も容易に転職するのではないかと危惧される。看護体制強化のため平成十八年度診療報酬改定により新設された一般病床の七対一看護体制により、医療現場において重大な看護師不足を招いた二の舞が想定される。
 国民本位の立場に立てば医療と介護は一体として考える必要があり、医療機関における介護職員処遇改善についても充分かつ精緻な対策を講じる必要があると考え、以下質問する。

一 今回の答申にある介護職員処遇改善については、介護保険が適用されない医療機関でも医療保険で同様の処遇改善ができるようにする等の対策を検討するべきではないかと考えるが、政府の見解如何。

二 今回の答申にある介護職員処遇改善が医療機関における介護福祉士等の看護補助者不足を招かないと言い切れるのか、政府の見解如何。

  右質問する。