質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第八号

いわゆるストックホルム合意における各記述に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年一月二十日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   いわゆるストックホルム合意における各記述に関する質問主意書

 平成二十六年五月二十九日、日朝間において合意したいわゆるストックホルム合意に記述されている内容について質問いたします。

一 「一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨及び墓地」とありますが、政府はこれがどのような問題だと認識していますか。また、この問題の何が懸案となっているのか、該当者は何人いるのかもあわせてお示しください。

二 「残留日本人」とありますが、政府はこれがどのような問題だと認識していますか。また、この問題の何が懸案となっているのか、該当者は何人いるのかもあわせてお示しください。

三 「いわゆる日本人配偶者」とありますが、政府はこれがどのような問題だと認識していますか。また、この問題の何が懸案となっているのか、該当者は何人いるのかもあわせてお示しください。

四 「拉致被害者」とありますが、政府はこれがどのような問題だと認識していますか。また、この問題の何が懸案となっているのか、該当者は何人いるのかもあわせてお示しください。

五 「行方不明者」とありますが、政府はこれがどのような問題だと認識していますか。また、この問題の何が懸案となっているのか、該当者は何人いるのかもあわせてお示しください。

六 「を含む全ての日本人に関する調査」とありますが、政府は前記一から五までの問題以外にどのような問題があると認識していますか。また、よど号ハイジャック犯については前記一から五までの問題の懸案事項や「全ての日本人に関する調査」に該当するのかもあわせてお示しください。

七 「日本側」の第一に、「懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし」とあります。これは、北朝鮮との国交正常化は前記一から六までの懸案事項が全て解決した後に実現するという意思表示なのですか。政府の認識をお示しください。

八 政府は、これまで累次にわたり「拉致問題最優先」と公言しています。しかし、「北朝鮮側」の第二には、「調査は一部の調査のみを優先するのではなく、全ての分野について、同時並行的に行うこととした」とあります。このことからすると、政府の「拉致問題最優先」の方針とストックホルム合意の記述とは矛盾していると考えるものですが、この点について政府の認識をお示し下さい。

九 北朝鮮側が立ち上げるとされている「特別調査委員会」については、昨年二月に北朝鮮側から一方的に解体するとの宣言がありました。しかし、政府はこの宣言以後も累次にわたり、「ストックホルム合意に基づき、日本人に関する全ての問題の解決を目指す」と公言しています。今後も日本人に関する全ての問題解決のための交渉は、ストックホルム合意に基づいて行われるものと理解してよろしいですか。政府の認識をお示しください。

  右質問する。