第192回国会(臨時会)
答弁書第七二号 内閣参質一九二第七二号 平成二十八年十二月二十二日 内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 伊達 忠一 殿 参議院議員糸数慶子君提出「土人」という発言に対する鶴保大臣の答弁に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員糸数慶子君提出「土人」という発言に対する鶴保大臣の答弁に関する質問に対する答弁書 一から九までについて 御指摘の「当該映像をつぶさに見れば、差別に当たるかどうかを客観的に判断することは容易」、「人権擁護を所管する法務大臣と人権擁護局長が差別と認めた」、「都合のいいところだけを切り取り、恣意的に答弁する鶴保大臣の姿勢」、「「差別を認めない担当大臣に対する人権教育の方が大切だ」、「鶴保大臣は大臣としてふさわしくない」旨の大臣としての資質を疑う発言が行われたことを厳粛に受け止めるべき」等の意味するところが必ずしも明らかではないが、鶴保国務大臣は、御指摘の「機動隊員の発言」(以下「本件発言」という。)については、警察官のように逮捕権を有し、公権力を行使する者がかかる言動を行ったことについては許すまじきことと考えている一方で、ある事項が人権問題であるかどうかについては、特定の映像や特定の識者等の発言、見解、決議等のみに基づき判断すべきものでなく、言われた側の感情に主軸を置いて判断すべきであり、本件発言が、沖縄県民の感情を傷つけたという事実があるならばしっかりと襟を正していかなければならず、また、人権問題であるかどうかも含め、個別の事案についてはつぶさにこれを注視していくことが重要であるとの趣旨を述べており、これらの点については、衆議院議員大西健介君提出鶴保沖縄・北方担当相の「土人」についての国会答弁に関する質問に対する答弁書(平成二十八年十一月十八日内閣衆質一九二第一三〇号)等で述べているとおりである。 なお、鶴保国務大臣は、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)に就任して以来、沖縄県民一人一人に寄り添う立場から、人権が一人一人に帰属するとの認識の下、御指摘の発言を行ったものであり、「沖縄県民に寄り添う姿勢が見られない」との御指摘は当たらない。 |