質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七〇号

内閣参質一九二第七〇号
  平成二十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出若年妊娠と学業の継続等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出若年妊娠と学業の継続等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、学校における個別の事案であり、お答えを差し控えたい。なお、一般に、女子生徒が妊娠した場合には、関係者で十分に話し合い、母体の保護を最優先としつつ、教育上必要な配慮を行うべきものと考える。

二について

 御指摘の「妊娠中の女子生徒が学業継続を望んでいた場合」には、一般に、関係者で十分に話し合い、母体の保護を最優先としつつ、教育上必要な配慮を行うべきものと考える。
 お尋ねの「①妊娠を懲戒の対象にすべきではないこと、②当事者が学業の継続を望む場合には、希望を尊重し可能な配慮を行うことという趣旨の通知等」の発出については、今後、実態を踏まえて検討するとともに、様々な機会を捉え、各教育委員会等に対し、教育上必要な配慮を行うべき旨の周知に努めてまいりたい。

三について

 お尋ねについては、内閣府において、平成二十二年度に、「若者の意識に関する調査(高等学校中途退学者の意識に関する調査)」を実施したところである。なお、同調査によると、「高校中退後概ね二年以内の者(概ね平成二十年四月以降に高校を中退した者)」のうち、「高校を辞めた理由」として「妊娠した」に「とても当てはまる」又は「まあ当てはまる」と回答した者の割合が四・〇パーセントとなっているところである。

四について

 高等学校等の管理はその設置者である地方公共団体等が行っており、また、保育を必要とする子供を育てる生徒のニーズや実情は学校や地域によって異なること等から、高等学校等における託児施設の設置については、地域の実態等を踏まえ、当該地方公共団体等が適切に対応すべき問題であると考える。

五について

 学校における性教育については、学習指導要領に基づき、児童生徒が、性に関して、正しく理解し、適切に行動をとることができるよう実施されており、体育科、保健体育科、家庭科、技術・家庭科、特別活動を始め、学校教育全体を通じて指導することとしている。
 お尋ねの「「望まない妊娠のリスクを下げるための対策」や「予期しない妊娠という現実に直面した場合取るべき対策」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、学校における性教育については、例えば、高等学校学習指導要領(平成二十一年文部科学省告示第三十四号)の保健体育科の解説において、「思春期における心身の発達や健康課題について特に性的成熟に伴い、心理面、行動面が変化することについて理解できるようにする。また、これらの変化に対応して、自分の行動への責任感や異性を尊重する態度が必要であること、及び性に関する情報等への適切な対処が必要であることを理解できるようにする」、「受精、妊娠、出産とそれに伴う健康課題について理解できるようにするとともに、家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響などについても理解できるようにする」など、児童生徒の発達段階に応じて適切に指導することとしており、これを踏まえ、高等学校では、避妊法や人工妊娠中絶などについて記述されている教科書を用いた指導等が行われているものと承知している。なお、文部科学省においては、妊娠・出産等を含む児童生徒の健康問題を総合的に解説した教材を作成し、各学校へ配布しており、指導の充実に努めているところである。

六について

 お尋ねの「特別養子縁組についても、選択肢の一つとして提示されるべき」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。