第192回国会(臨時会)
答弁書第三一号 内閣参質一九二第三一号 平成二十八年十一月二十二日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生 太郎
参議院議長 伊達 忠一 殿 参議院議員青木愛君提出国土交通省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員青木愛君提出国土交通省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」に関する質問に対する答弁書 一について 下請負人の見積書に法定福利費相当額が明示され又は含まれているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費相当額を一方的に削減したり、労務費そのものや請負金額を構成する他の費用で減額調整を行うなど、実質的に法定福利費相当額を賄うことができない金額で建設工事の請負契約を締結し、その結果、請負金額が通常必要と認められる原価に満たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法(昭和二十四年法律第百号)第十九条の三の規定に違反するおそれがあり、このような場合には、必要に応じ、同法第四十一条第一項の規定に基づき、請負代金の額を見直すよう、書面等により必要な指導等を行うこととなる。 なお、国土交通大臣又は都道府県知事は、元請負人が同法第十九条の三の規定に違反している事実があり、その事実が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「独占禁止法」という。)第十九条の規定に違反していると認めるときは、建設業法第四十二条第一項の規定に基づき、公正取引委員会に対し、独占禁止法の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができ、また、中小企業庁長官は、中小企業者である下請負人と下請契約を締結した元請負人が建設業法第十九条の三の規定に違反している事実があり、その事実が独占禁止法第十九条の規定に違反していると認めるときは、建設業法第四十二条の二第三項の規定に基づき、公正取引委員会に対し、独占禁止法の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができることとされている。また、「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」(平成二十四年七月四日付け国土建第百三十六号・国土建整第七十三号国土交通省土地・建設産業局建設業課長及び建設市場整備課長連名通知。以下「ガイドライン」という。)において、下請負人は自ら負担しなければならない法定福利費を適正に見積もり、法定福利費相当額を内訳明示した見積書を元請負人に提出することとしているところであり、その旨の周知を図っているところである。 二について ガイドラインにおいて、公共工事であるか民間工事であるかを問わず、「適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである」としている。 |