質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一八号

内閣参質一九二第一八号
  平成二十八年十一月八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出「核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議」に棄権すらしなかった理由に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出「核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議」に棄権すらしなかった理由に関する質問に対する答弁書

一について

 核軍縮に関する我が国の基本的立場は、核兵器のない世界の実現のためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識及び厳しい安全保障環境に対する冷静な認識に基づき、核兵器国と非核兵器国との間の協力による現実的かつ実践的な措置を積み重ねていくことが不可欠であるというものである。御指摘の決議案は、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発が我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっている中で、このような我が国の基本的立場に合致せず、また、核兵器国と非核兵器国との間の対立を一層助長し亀裂を深めるものであるとの理由から、慎重な検討を重ねた結果、反対したものである。

二について

 外交上の個別のやり取りについては、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

三について

 御指摘の交渉に参加するか否かについては、平成二十八年十月二十八日の衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会等において岸田外務大臣が答弁しているように、交渉が開始されることとなる以上は、交渉に参加し、唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国との間の協力が不可欠であるとの立場から、主張すべきことはしっかりと主張していくことも念頭に置いているが、いずれにせよ、交渉の在り方の詳細に関する今後の議論等も踏まえ、検討していく考えである。