質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一五号

内閣参質一九二第一五号
  平成二十八年十一月四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員福島みずほ君提出「もんじゅ」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出「もんじゅ」に関する質問に対する答弁書

一、四の6及び7並びに五の5について

 お尋ねの「長期停止で「もんじゅ」の施設および国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)の組織は劣化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、高速増殖原型炉「もんじゅ」(以下「もんじゅ」という。)については、平成二十八年九月二十一日に開催された原子力関係閣僚会議(以下「九月二十一日閣僚会議」という。)において、廃炉を含め抜本的な見直しを行うこととされ、現在、その取扱いに関する方針を検討しているところである。

二について

 お尋ねの「原子力規制委員会の勧告や同委員会の田中俊一委員長の記者会見での発言などでは、「もんじゅ」の現状について「リスクを低減させる必要がある」、「安全が担保されていない」旨の指摘がされている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、平成二十七年十二月十一日の参議院東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会において、「現時点では「もんじゅ」は冷温停止中でありますので、直ちに周辺公衆に重大な影響を及ぼすような状況にあるというふうには認識しておりません」と答弁している。

三について

 お尋ねの「原子力規制委員会が求めるリスクの低減と安全の担保のためには、施設からナトリウムを抜き取り、燃料を取り出すことが必要だと考える」の意味するところが必ずしも明らかではないが、もんじゅについて、原子力規制委員会は、平成二十七年十一月十三日に、文部科学大臣に対し「機構に代わってもんじゅの出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定すること」及び「もんじゅの出力運転を安全に行う能力を有する者を具体的に特定することが困難であるのならば、もんじゅが有する安全上のリスクを明確に減少させるよう、もんじゅという発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直すこと」を勧告しているところであり、また、九月二十一日閣僚会議においては、もんじゅについて廃炉を含め抜本的な見直しを行うこととされ、現在、政府として、もんじゅの取扱いに関する方針を検討しているところである。

四の1について

 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)によると、もんじゅの一次冷却設備に接続されているダンプタンク並びに二次冷却設備に接続されているオーバフロータンク及びダンプタンクについて、①接続されている設備及びループの名称、②オーバフロータンク・ダンプタンクの別、③基数並びに④容量をお示しすると次のとおりであるとのことである。
①一次冷却設備のAループ、Bループ及びCループ ②ダンプタンク ③一基 ④約百立方メートル
①一次冷却設備のAループ、Bループ及びCループ ②ダンプタンク ③二基 ④各約二百立方メートル
①二次冷却設備のAループ ②オーバフロータンク ③一基 ④約百六十一立方メートル
①二次冷却設備のBループ ②オーバフロータンク ③一基 ④約百六十一立方メートル
①二次冷却設備のCループ ②オーバフロータンク ③一基 ④約百六十一立方メートル
①二次冷却設備のAループ及びBループ ②ダンプタンク ③一基 ④約百六十一立方メートル
①二次冷却設備のBループ及びCループ ②ダンプタンク ③一基 ④約百六十一立方メートル
 なお、原子力機構によると、このほかに、原子炉容器に接続されている容量約百立方メートルのオーバフロータンクが一基設置されているとのことである。

四の2について

 原子力機構によると、平成二十八年十月三十一日時点において、もんじゅの一次冷却設備及び二次冷却設備のBループのナトリウムは、オーバフロータンク及びダンプタンクに貯蔵しているとのことである。

四の3について

 原子力機構によると、お尋ねの「一ループだけの循環運転」について、現時点で検討しておらず、お答えすることは困難であるとのことである。

四の4について

 一、四の6及び7並びに五の5についてでお答えしたとおり、もんじゅについては、廃炉を含め抜本的な見直しを行うこととされ、現在、その取扱いに関する方針を検討しているところであり、お尋ねの「運転を再開する場合」についてお答えすることは困難である。

四の5について

 原子力機構によると、お尋ねの「ナトリウムの放射化の割合」について、現時点で計算しておらず、お答えすることは困難であるとのことである。

五の1について

 原子力機構によると、平成二十八年十月三十一日時点において、もんじゅに存在する原子炉で照射される前の燃料集合体の数は、炉心燃料集合体が三十三体、ブランケット燃料集合体が三十四体とのことである。

五の2について

 原子力機構によると、原子炉で照射された燃料集合体全体について、現時点で、お尋ねの「平均燃焼度」及び「平均発熱量」について計算しておらず、お答えすることは困難であるとのことである。

五の3について

 原子力機構によると、炉心燃料集合体又はブランケット燃料集合体について、炉外燃料貯蔵槽は二百五十体、燃料池は千四百十二体をそれぞれ収容できるとのことである。

五の4について

 原子力機構によると、平成二十八年十月三十一日時点において、炉外燃料貯蔵槽及び燃料池の冷却設備は稼働しているとのことである。