質問主意書

第192回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質一九二第七号
  平成二十八年十月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員有田芳生君提出築地市場跡地の再開発における「被爆マグロ」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出築地市場跡地の再開発における「被爆マグロ」に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「被爆マグロ」について、昭和二十九年三月二十六日の衆議院水産委員会において、本島寛東京都中央卸売市場長(当時)が、参考人として、「まぐろ三本、目方にして四十二貫・・・さめが二十八本、約五百貫程度」について、「まぐろにつきましては・・・六ミリアワー放射能・・・さめにつきましては、九ミリアワーの放射能を含んでおつた」と発言し、これらを「埋没することが最も適当であるという結論を得ましたので・・・市場の一角に三メートル以上の深い穴を掘りまして、これを埋めてしまつたわけであります」及び「そして埋めた魚の上には二メートル以上土をかぶせて(中略)中央市場の一角で、取引をしている場所から二百メートルないし三百メートル隔たつた、しかも二十四時間交代で職員が出入りを監視をいたしている場所のすぐそばに埋めた」と発言したことは、政府として承知している。

三について

 厚生労働省が保有する資料によれば、政府は、「マーシャル水域において漁撈に従事しまたはこの水域を航行した漁船についての検査の実施について」(昭和二十九年四月二十六日付け発衛第一三八号厚生事務次官通知)等に基づき、東京都知事等に対し、一定の基準を超える放射能による汚染等が確認された漁獲物について、なるべく陸地と関係のない大洋の海流中に投棄するか、飲料水等に関係のない場所で地下二メートル以上の深所に埋没する等適当な方法等により廃棄することを当該漁獲物に係る漁船の所有者に指導等するよう通知していた。なお、当該資料からは、御指摘の「被爆マグロ」を築地市場に埋没したことに関する記録は確認できない。

四について

 お尋ねのような仮定の御質問にお答えすることは差し控えたい。

五について

 お尋ねの「被爆マグロの現状について調査する予定」の意味するところが必ずしも明らかでないが、御指摘の「被爆マグロ」によると疑われる食品衛生に関する問題が生じているとは承知していないため、現時点では、食品衛生に関する調査を行う予定はない。