質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八七号

南スーダン政府軍に対する自衛隊の武器使用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年十二月十四日

小西 洋之   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   南スーダン政府軍に対する自衛隊の武器使用に関する質問主意書

 従来、PKOにおける自衛隊の武器使用は、いわば自己保存のための自然権的権利というべきもの(以下「自己保存型の武器使用」という。)及び自衛隊の武器等の防護のための自衛隊法第九五条に規定する武器の使用(以下「武器等防護」という。)に限られ、これらを超える武器使用は、相手方が国又は国に準ずる組織である場合には、憲法第九条の禁ずる「武力の行使」に当たるおそれがあると解されてきた。
 こうした中、政府は、平成二十七年九月に成立した安全保障法制により、PKOにおいて任務遂行型の武器使用を認め、本年十二月十二日から南スーダンで活動する自衛隊員に「駆け付け警護」任務において任務遂行型の武器使用を行うことを可能とした。
 しかし、南スーダンの治安情勢については、稲田防衛大臣は、自衛隊が展開をしている首都ジュバは比較的落ち着いているとの見解を示しているものの(平成二十八年十一月二十四日、参議院外交防衛委員会)、十一月十日付の国連事務総長報告では、八月十二日から約二か月間で、南スーダン政府と軍による地位協定違反、国連南スーダン共和国ミッションへの敵対的行為が四十六件あったことなどが明らかにされており、自衛隊員が南スーダン政府軍に対して任務遂行型の武器使用を行う可能性も排除されない状況となっている。
 そこで以下質問する。

一 自衛隊員が南スーダン政府軍に対し「駆け付け警護」の任務遂行型の武器使用を行う可能性があるかどうかについて、政府の見解を述べられたい。

二 自衛隊員が南スーダン政府軍に対し「駆け付け警護」の任務遂行型の武器使用を行った場合、憲法第九条の禁ずる「武力の行使」にあたるかどうかについて、政府の見解を示されたい。

三 一般論として、自衛隊員がPKO活動で派遣先の国の政府軍に対し「駆け付け警護」の任務遂行型の武器使用を行った場合、憲法第九条の禁ずる「武力の行使」にあたるかどうかについて、政府の見解を示されたい。

  右質問する。