質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七一号

中途退学者の学業の継続支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年十二月十四日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   中途退学者の学業の継続支援に関する質問主意書

 不本意に高等学校等を中途退学等した者は、十分な教育を受けられなかったことから、不安定な職業に就かざるを得ないケースが多く、貧困世帯となるリスクが非常に高まる。また、貧困の連鎖により、その子どもにも貧困が引き継がれてしまう恐れがあると思われる。
 現に、平成二十三年三月に公表された、内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室の「若者の意識に関する調査(高等学校中途退学者の意識に関する調査)報告書(解説版)」では、「中退後、高卒の資格は必要だと考えたか」という質問に対し、「はい」と回答した者の割合は、中途退学者全体の七十八・四%に上っている。
 以上の事実認識を前提に、以下の通り質問する。

一 やむを得ず、ないし自己の選択として中途退学を選択した者であっても、学業を継続する意思がある場合には、できる限りの学業支援を行うべきと考えるが、中途退学者への学業支援に関する政府の方針を明らかにされたい。

二 高等学校教育段階は若者の進路の選択にとって重要な時期であり、高卒の資格が持つ意味や資格取得の多様な方法などに関する情報は、どのような若者にとっても有用である。特に、中途退学する生徒に対しては、就労支援機関、職業訓練機関、通信制・定時制高校等の「学び直し」の機会、大検等、その後の進路に必要となる諸情報を、退学時等の適切な時期に包括的に提供する必要があると考える。
 平成二十二年七月の内閣府「子ども・若者支援地域協議会運営方策に関する検討会議」報告書でも指摘があった、中途退学者に対する情報提供の必要性について、現在どのような取組が行われているか、明らかにされたい。

  右質問する。