質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三八号

日朝交渉に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年十一月十七日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日朝交渉に関する質問主意書

一 ストックホルム合意では拉致問題はもちろんのこと、残留日本人問題やいわゆる日本人妻問題なども解決すべき共通の課題だとされています。政府はなぜ生存者がいることが明らかなこの二つの課題を解決しようとしないのですか。日本への帰国を切望していた残留日本人が先日亡くなったことはNHKなど複数のメディアで報じられています。「拉致問題最優先」という安倍内閣の方針のもとで、残留日本人問題やいわゆる日本人妻問題の解決に向けてストックホルム合意以降すぐに行動すれば救われたはずの日本人の生命と人生が失われたことについて、どのような見解をお持ちですか。

二 拉致被害者家族は政府からこれまでにまったくといっていい程、日朝交渉についての情報を教えられてきませんでした。政府からは公式的な会合での公式的な発言はあっても、拉致被害者家族だけに伝えられるような内容の情報が教えられることはいっさいありません。政府は私のこれまでの質問に「今後の対応に支障を来す」と一般論で答えてきましたが、そうした政府の対応に拉致被害者家族には本音のところで不信感があります。「拉致問題最優先」はいいのですが、どうして拉致被害者家族に丁寧な情報提供を行わないのですか。その理由をお答えください。

三 政府は拉致問題の解決を実現するために、まずは残留日本人問題やいわゆる日本人妻問題から北朝鮮との交渉を進めて行く方針を取らないのですか。拉致問題で進展がないのであれば、ストックホルム合意で合意したほかの課題を進めないのはなぜでしょうか。その理由を一般論ではなく具体的にお答えください。

  右質問する。