質問主意書

第192回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一号

日朝ストックホルム合意の履行に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年九月二十六日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日朝ストックホルム合意の履行に関する質問主意書

 政府は平成二十六年五月二十九日に発表した日朝政府間のいわゆるストックホルム合意を破棄することなく、拉致問題などを解決すると表明してきました。北朝鮮も特別調査委員会を解体したとしつつも、ストックホルム合意が無効だとは宣言していません。ところが北朝鮮によるあいつぐ核実験、ミサイル発射などをきっかけに、日朝間のみならず、米朝、南北など、国際関係には緊張が高まり、新たな局面に入っています。こうした状況のもとでいかに拉致問題などの解決を実現すればいいのか、いくつかの問題について質問します。

一 政府は日朝平壌宣言およびストックホルム合意に基づき、核・ミサイル・拉致の問題を解決するとしていますが、そのために三つの重要課題をどのように有機的に関連づけているのですか、その戦略をお示しください。

二 政府は拉致被害者家族の高齢化を前提にすれば、核・ミサイルの課題と切り離して、拉致問題に優先的に取り組むべきだとお考えですか。そうでないなら拉致問題をどのように解決する方針なのですか。

三 安倍首相は制裁を強化しつつ対話によって拉致問題を解決すると表明されています。北朝鮮との対話が途切れている状況にあって、なぜ非公式協議あるいは公式協議を再開しないのですか。その理由を具体的にお答えください。

四 ストックホルム合意は拉致問題、行方不明者、残留日本人、いわゆる日本人妻、遺骨問題を解決すべき課題として取り上げています。政府は日朝政府が合意したこれらの課題を人道問題だと認識していますか。

五 ストックホルム合意から二年あまり、日朝平壌宣言から十四年。拉致被害者五人とその家族の帰国以外はまったく問題解決に至っていません。政府はその理由はどこにあると認識していますか。

六 政府は北朝鮮の特別調査委員会が拉致問題などの調査を終えていると認識していますか。あるいは北朝鮮に対して調査の現状を聞くつもりはありますか。ないならその理由をお示しください。

七 政府は北朝鮮の特別調査委員会が調査報告書をすでに完成しているならば、それを受けとる用意がありますか。ないならその理由は何ですか、明確にお示しください。

八 核実験、ミサイル発射という北朝鮮の挑発的行為に対して、国連を通じての制裁強化を求める立場と対話を通じて拉致問題などを解決するという方針をどのように両立させるのか、拉致被害者家族にわかるよう明確にお答えください。

  右質問する。