質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三七号

内閣参質一九〇第一三七号
  平成二十八年六月七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出米軍関係者が起こした凶悪事件に対して日本政府が行った抗議に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出米軍関係者が起こした凶悪事件に対して日本政府が行った抗議に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「抗議に関係する部分」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十八年五月十九日、岸田外務大臣はケネディ駐日米国大使を外務省に招致し、沖縄県における在日米軍軍属による事案(以下「本件事案」という。)につき、極めて強い遺憾の意を伝えて強く抗議するとともに、このような事件が発生したことは言語道断であり、強い憤りを覚える、現在も継続中の捜査に対し最大限の協力を求める、在日米軍軍人及び軍属の綱紀粛正と事件・事故の再発防止を徹底するよう強く求める旨口頭で述べた。これ以上の詳細については、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

二及び三について

 お尋ねの「抗議に関係する部分」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十八年五月十九日、中谷防衛大臣はドーラン在日米軍司令官を防衛省に招致し、本件事案が起きたことは非常に遺憾であり、強い怒りを覚える旨述べるとともに、米側が御遺族の心情に寄り添った対応をすること、在日米軍軍人及び軍属の綱紀粛正と事件・事故の再発防止の徹底を強く求める旨口頭で述べた。
 また、同月二十一日、同大臣はニコルソン在日米軍沖縄地域調整官と会談し、本件事案について極めて強い遺憾の意を伝え、強く抗議するとともに、米側が御遺族の心情に寄り添った心のこもった対応を行っていくこと、そして、在日米軍軍人及び軍属の綱紀粛正と事件・事故の再発防止の徹底を強く求める旨口頭で述べた。これ以上の詳細については、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

四について

 お尋ねの「抗議に関係する部分」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十八年五月二十五日、安倍内閣総理大臣はオバマ米国大統領と会談し、本件事案は身勝手で卑劣極まりない犯罪であり、非常に憤りを覚える、日本の総理として強く抗議したい、本件事案は沖縄だけではなく、日本全体に大きな衝撃を与えている、こうした日本国民の感情をしっかりと受け止めてほしい、自分には日本国民の生命と財産を守る責任がある、実効的な再発防止策の徹底等、厳正な対応を求めたい旨口頭で述べた。これ以上の詳細については、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

五について

 お尋ねについて、外務省及び防衛省として確認できる範囲では、西宮外務省北米局長からドノバン駐日米国臨時代理大使に対して、今井沖縄担当特命大使からジルマー在日米海兵隊基地司令官に対して、真部防衛省沖縄防衛局長からジルマー在日米海兵隊基地司令官に対して、地引防衛省地方協力局長からライト在日米軍司令官に対して、藪中外務事務次官からドノバン駐日米国臨時代理大使に対して、小野寺外務副大臣からジルマー在日米海兵隊基地司令官に対して、高村外務大臣からシーファー駐日米国大使及びライト在日米軍司令官(肩書はいずれも当時)に対して、それぞれ、遺憾の意を伝えるとともに、在日米軍の綱紀粛正や事件・事故の再発防止の徹底を申し入れた。また、寺田防衛大臣政務官からシーファー駐日米国大使(肩書はいずれも当時)に対しては、書面にて遺憾の意を伝えるとともに、在日米軍の綱紀粛正や事件・事故の再発防止の徹底を申し入れた。これ以上の詳細については、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

六について

 お尋ねについて、外務省及び防衛省として確認できる範囲では、御指摘の事件は極めて遺憾であり、政府として、再発防止のため厳格な措置をとるよう、日米外相会談、日米安全保障協議委員会を含め、あらゆる機会を利用して米側に強く申し入れた。

七について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、在日米軍関係者による事件は本来あってはならず、在日米軍が実効性を伴った再発防止策をとることが重要であると考えており、米側に対して、一についてから六についてまででそれぞれ述べたとおり、強く申入れを行ってきている。引き続き、米側とともに、在日米軍関係者による事件・事故の再発防止策が着実に実施されるよう取り組んでいく考えである。