質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二〇号

内閣参質一九〇第一二〇号
  平成二十八年五月三十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤末健三君提出熊本県における地震による被災中小企業への早期支援に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出熊本県における地震による被災中小企業への早期支援に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「グループ補助金」については、本日の熊本地震復旧等予備費の使用の閣議決定により、被害の実態等を踏まえ、中小企業組合等共同施設等災害復旧事業として予算額四百億円を措置することとしたが、募集期間等の詳細については、今後、補助事業者である熊本県及び大分県と検討してまいりたい。
 また、御指摘の「土木・建設事業者や機械が被災地に優先的に向かうようなインセンティブを政府が設けること」については予定していないが、関係業界団体に対し、地方公共団体等と緊密な連携を図りながら、建設機械、資機材の調達や労働力の確保等、可能な限り被災地域の応急対策に取り組むよう要請したところであり、引き続き被災地域の情報収集に努めるとともに、被災地域への支援に取り組んでまいりたい。

二について

 お尋ねの「特別相談窓口の設置、被災中小企業の既往債務の負担軽減、災害復旧貸付、セーフティネット保証等の各種施策」について、平成二十八年四月十五日から五月二十五日までの間に、①株式会社日本政策金融公庫(以下「日本政策金融公庫」という。)の熊本支店及び八代支店、株式会社商工組合中央金庫(以下「商工中金」という。)の熊本支店、株式会社日本政策投資銀行の九州支店、熊本県信用保証協会、九州経済産業局並びに独立行政法人中小企業基盤整備機構の九州本部及び南九州事務所に設置した特別相談窓口に寄せられた相談件数は三千八百六十四件、②返済猶予等の条件変更を行い、被災した中小企業の既往債務の負担軽減を実施した件数については、日本政策金融公庫で七百五十七件、商工中金で二十九件、熊本県信用保証協会で九百七十一件、③熊本県に事業所を有する中小企業であって平成二十八年熊本地震により被害を被ったものを対象として実施する災害復旧貸付の件数については、日本政策金融公庫で七百件、商工中金で八件、④熊本県に事業所を有する中小企業であって平成二十八年熊本地震により経営の安定に支障が生じているものを対象として熊本県信用保証協会が実施するセーフティネット保証の件数については六十九件である。
 また、今般の被災状況に鑑み、政府系金融機関による融資については直接被災した中小企業に加え、風評被害を含め間接的に被災した中小企業に対象を拡充すること等とした「平成二十八年熊本地震特別貸付」を創設することとし、本日の熊本地震復旧等予備費の使用の閣議決定により、日本政策金融公庫に対する出資金として百八億円を措置するとともに、信用保証についても、実施に当たって万全を期すため、日本政策金融公庫に対する出資金等として九十二億円を措置することとした。

三について

 平成二十七年度補正予算で措置された小規模事業者持続化補助金をはじめ、平成二十八年度当初予算で措置された戦略的基盤技術高度化支援事業、地域創業促進支援事業等については、熊本県全域(小規模事業者持続化補助金については、大分県の一部地域を含む。)で公募期間を既に延長している。また、これらの補助金の被災地域への配分額は現時点では未定である。

四について

 平成二十八年熊本地震により、熊本県内の商店街において、地元のスーパーマーケットの倒壊やアーケードの支柱が折れる等の被害が生じている。また、震災による直接的な被害がない場所においても、商店街の人通りや売上げが震災前に比べ減少するという影響が生じている。このため、本日の熊本地震復旧等予備費の使用の閣議決定により、被災した商店街に対し、破損したアーケードや街路灯など、公共性の高い商店街施設・設備の改修・建替えのための措置及び商店街のにぎわいの回復を支援するための措置を講ずることとしたところであり、地域の商業機能及び地域コミュニティ機能を支える商店街の復旧等に向け早急に取り組んでまいりたい。

五について

 本日の熊本地震復旧等予備費の使用の閣議決定により、誘致を受けて熊本県に立地する企業の事業環境に関する不安を企業立地等の専門家が早急に把握し、ニーズにきめ細かく対応するため、専門家による相談窓口の設置及び事業再開等に関するアドバイスや分析等の実施をするための措置を講ずることとしたところである。