質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第三〇号

内閣参質一九〇第三〇号
  平成二十八年二月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員吉田忠智君提出国鉄共済年金に係る不均衡の是正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉田忠智君提出国鉄共済年金に係る不均衡の是正に関する質問に対する答弁書

一の(1)から(4)までについて

 お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、「運輸省五十年史」によれば、国有鉄道においては、昭和十九年には、職員数が昭和十一年の約二倍の四十五万五千人に達し、その後、昭和二十二年度には、職員数が六十一万人に達したとされている。
 また、「日本国有鉄道百年史」によれば、昭和二十三年度の二十歳以下の職員数は十二万二百三十人であり、職員総数の約二割を占めていたとされている。

一の(5)について

 御指摘の「職員構成上の歪みは解消されなかった」の意味するところが必ずしも明らかではないが、行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)附則第七項において、「日本国有鉄道の職員は、その数が昭和二十四年十月一日において、五十万六千七百三十四人をこえないように、同年九月三十日までの間に、逐次整理されるものとする」とされているところであり、「日本国有鉄道百年史」によれば、総数九万五千十八人の人員整理が行われたとされている。

一の(6)について

 日本鉄道共済組合作成の「共済年金四〇年史」によれば、昭和三十一年度末の国鉄共済年金の受給者数は十五万二千四百三十人、昭和六十二年度末の国鉄共済年金の受給者数は四十六万三千七百七十六人とされている。

二について

 御指摘の「国鉄共済年金の運営主体の財政努力を超える問題である」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国鉄共済年金の財政が悪化した原因については、先の答弁書(平成二十七年四月二十八日内閣参質一八九第一一四号)三についてでお答えしたとおりである。

三について

 先の答弁書(平成二十七年六月十六日内閣参質一八九第一五六号。以下「先の答弁書」という。)四についてでお答えしたとおり、国鉄共済年金の給付に要する費用を他の共済年金や厚生年金で負担する状況に鑑み、国鉄共済年金の額を百十分の百とする旨が、そして、当分の間、職域加算額に相当する部分を支給しない旨が法律で定められているものであり、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十三号。以下「被用者年金一元化法」という。)の施行後の平成二十七年十月以降においても、国鉄共済年金の給付に要する費用を被用者年金全体で負担する状況にあることに変わりはないことから、御指摘のような「不均衡の是正」が必要とは考えていない。

四について

 お尋ねについては、先の答弁書十二についてでお答えしたとおり、国家公務員の場合、昭和三十三年以前に適用されていた国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号。以下「旧国共済法」という。)の年金は、当初より年金改定に伴う増加費用は国が負担することとされるなど、恩給制度に準じた仕組みになっており、現在も、恩給期間等に係る年金の給付に要する費用(以下「追加費用」という。)は、旧国共済法が適用されていた者に支給される共済年金にも充てられ、国等が負担している。このため、国家公務員の場合、旧国共済法が適用されていた期間に係る年金については、被用者年金一元化法により減額の対象とされている。
 国鉄共済年金の場合も、追加費用については、事業主である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が負担していることから、国家公務員の場合と同様に、旧国共済法が準用されていた期間に係る年金が減額の対象とされているものである。