質問主意書

第190回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四号

内閣参質一九〇第二四号
  平成二十八年二月二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤末健三君提出より柔軟な所得連動返還型奨学金及び給付型奨学金の早期導入に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出より柔軟な所得連動返還型奨学金及び給付型奨学金の早期導入に関する質問に対する答弁書

一について

 独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」という。)による有利子貸与事業については、限られた財源の中でより多くの学生等に奨学金を貸与することができるよう、民間借入金等を財源として低利で実施しているものと承知している。

二について

 有利子貸与事業と無利子貸与事業は、貸与人員の規模、貸与基準、財源等が異なり、また、各貸与事業による奨学金の貸与を希望する学生等の数は、その時々の経済状況等に左右されることから、お尋ねの「有利子と無利子の割合の在り方」及び「両者の割合をいつまでにどの程度とすべきか」については、一概にお答えすることは困難である。
 もっとも、文部科学省としては、これまでも無利子貸与事業の貸与人員を増員できるよう財政措置を講じてきたところであり、今後とも、できるだけ早期に、機構において奨学金の貸与基準を満たす希望者全員に対し無利子で奨学金を貸与できるようになるように、機構が実施する奨学金事業の充実に努めていく所存である。

三について

 より柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」(以下「本制度」という。)は、奨学金の返還月額が卒業後の所得に連動する制度であるところ、文部科学省としては、平成二十九年度から、新規の奨学金貸与者に対して本制度が適用されることを目指しており、同省が開催している「所得連動返還型奨学金制度有識者会議」において、現在、返還猶予の申請が可能な所得及び年数、返還期間等の論点について検討を行っている。

四について

 お尋ねの「給付型奨学金」を支給する制度については、多くの諸外国で導入されていることなどが指摘される一方、財源や対象者の選定を始めとする諸課題があり、導入するには更に検討が必要である。いずれにせよ、意欲と能力のある学生等が経済的理由により修学を断念することがないよう、今後とも支援に努めてまいりたい。