質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第一五三号

トラック運輸産業におけるドライバーの長時間労働に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年六月一日

松沢 成文   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   トラック運輸産業におけるドライバーの長時間労働に関する質問主意書

 トラックドライバーは、他業種の労働者と比べて長時間労働が常態化しており、労働基準関係法令や「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」とする。)の違反が高水準で推移している。また、脳・心臓疾患の労災支給決定件数が最も多い職種となっているなど、その労働条件及び安全衛生の確保・改善を一層推進することが喫緊の課題となっている。そこで以下質問をする。

一 トラックドライバーは建設業とともに三六協定の時間外限度時間が適用除外になっており、その代わりに「改善基準告示」によって、拘束時間、休息期間および運転時間等の上限が定められている。しかし、その改善基準告示の上限拘束時間は、一か月二百九十三時間、一年間は三千五百十六時間と他産業より圧倒的に長く、また、厚生労働省の過労死労災認定基準より大幅に超過している。そこで、改善基準告示に定める拘束時間等の引き下げおよび法制化を実現すべきであると考えるが、どうか。

二 トラック運輸産業のドライバー不足が深刻化している。その一つの要因として、長時間労働が常態化していることが挙げられる。長時間労働改善の方策の一つとして高速道路の利用による時間短縮が求められている。高速道路を利用しやすくするため、①大口・多頻度割引最大五十%の恒久化、②長距離逓減制の割引区分及び割引率の拡大、③代替路走行の場合の長距離逓減割引の継続、④営業車用料金体系の創設、⑤深夜割引の拡充等に取り組むべきであると考えるが、どうか。

  右質問する。