質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第一三〇号

租税回避を行う多国籍企業対策への国際的連携の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年五月二十七日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   租税回避を行う多国籍企業対策への国際的連携の推進に関する質問主意書

 伊勢志摩サミットにおいては、タックスヘイブンなどを利用した税源浸食と利益移転「BEPS(Base Erosion and Profit Shifting)」対策が議論されている。また、五月二十四日には、タックスヘイブンを利用して法人税や付加価値税を不当に免れていた疑いがあるとして、フランス捜査当局がグーグルのパリ支社を家宅捜索したと報道された。このような状況の中、以下の点について質問する。

一 OECDは二〇一三年七月、「税源浸食と利益移転に係る行動計画(Action Plan on Base Erosion and Profit Shifting)」(以下「行動計画」という。)を公表した。行動計画では十五項目のアクションプランが示され、現在、関係諸国において対応が進められている。今般の「パナマ文書」という新たな問題の発生等を受け、日本政府は租税回避への対応方針を見直すつもりがあるのか見解を示されたい。

二 我が国においても、多国籍企業による所得の創出活動の行われる法的管轄と納税の行われる法的管轄との不整合を生じさせている事態について、BEPSプロジェクトの趣旨を踏まえた対策を講じているが、十分であるとは言い難い。パナマ文書問題への対策も含め、現行の国際課税原則に更なる変更を加えることも視野に入れた検討を進めるべきと考えるが政府の見解を示されたい。

三 グーグルを巡ってはフランス当局が捜査を行っているほか、イギリスにおいても本年一月、過去の納税が不十分だとして、グーグルが一億三千万ポンド(約二百十億円)の追加納税に合意したとの報道がある。我が国においても、こうした他国の追徴課税や捜査活動と連携し情報交換を行うなど、租税回避を行う多国籍企業への対策を積極的に講じていくべきと考えるが政府の見解を示されたい。

  右質問する。