第190回国会(常会)
質問第一二四号 いわゆるクマラスワミ報告に対する日本政府反論書に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十八年五月二十六日 和田 政宗
参議院議長 山崎 正昭 殿 いわゆるクマラスワミ報告に対する日本政府反論書に関する質問主意書 一九九六年に公表された国連人権委員会特別報告者クマラスワミ女史による報告(以下「クマラスワミ報告」という。)は、その附属文書で日本の慰安婦の問題について取り上げた。これを受け、当時の日本政府は「日本政府の見解」と題する詳細な反論書(以下「本文書」という。)を作成したと報じられた。 本文書について質された岸田外務大臣は、平成二十六年十月六日の衆議院予算委員会において「詳細過ぎるという幾つかの国からの指摘を受けて、簡潔な文書を改めて出した」とし、本文書は「現状では取り扱いは非公開」と答弁したが、同年十月十五日の衆議院外務委員会において、「本文書の公開の是非についても検討したい」とその取り扱いをめぐる姿勢を変更した。 これらを踏まえ、以下質問する。 一 本文書を提出した趣旨、意図について明らかにされたい。 二 本文書においては、クマラスワミ報告について、「無責任かつ予断に満ちた附属文書は調査と呼ぶに値しない」、「偏見に基づく一般化は歴史の歪曲に等しい」、「「従軍慰安婦」の制度を「奴隷制度」と定義することは法的観点から極めて不適当」と詳細に反論しているとされるが、実際そのように反論しているのか否か明らかにされたい。 三 平成二十六年十月十五日の衆議院外務委員会において岸田外務大臣は、「本文書の公開の是非についても検討したい」と答弁しているが、その後政府においてどのように公開の是非について検討してきたのか。また、公開すべきと考えるが政府の見解を伺いたい。 右質問する。 |