第190回国会(常会)
質問第九八号 いわゆる「パナマ文書」に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十八年四月七日 尾立 源幸
参議院議長 山崎 正昭 殿 いわゆる「パナマ文書」に関する質問主意書 中米パナマの法律事務所から流出したとされる、いわゆる「パナマ文書」により、各国の首脳や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用している実態が暴露されたとされている。 もとよりタックスヘイブンに法人を設立して金融資産を保有したり、運用したりすること自体は違法ではない。しかし、一方でタックスヘイブンに法人を設立する手法により、透明性の欠如を利用して、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)が行われる例も多いとされている。 例えば、経済協力開発機構(OECD)は、多国籍企業がタックスヘイブンなどを利用した節税策をとることにより、全世界で年間十二から二十九兆円の法人税収が失われていると試算している。 フランスのオランド大統領は、今回の「パナマ文書」について「国際社会にとって有益な情報がもたらされた。感謝する。税を取り戻すことができるようになる良いニュースだと言える」とのコメントを発したと伝えられている。 また、法律に違反する汚職がなかったかの調査や脱税に関する予備的調査などの目的で、アメリカ、フランス、ドイツ、オーストラリア、スウェーデン、オランダなどの当局が調査を開始したと報道されている。 諸外国と同様に、「パナマ文書」について、我が国の法律に違反する内容が含まれていないか、また直接的に法律に違反していなくても、国民に納税をお願いする立場の政治家などに道義的な問題がなかったかについて、我が国も調査すべきと考える。 しかしながら、我が国においては、日本政府として「パナマ文書」を調査する考えはないとの報道もなされている。 以上の問題意識に基づき質問する。 一 「パナマ文書」について、政府としてどのように受け止め、対処するか。 二 我が国も「パナマ文書」について、しっかりと調査すべきと考えるが、どうか。 右質問する。 |