質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第九三号

通勤手当の非課税限度額の引上げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年三月二十八日

吉川 沙織   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   通勤手当の非課税限度額の引上げに関する質問主意書

 現行、通勤先から支給を受ける通勤手当又は通勤用定期乗車券(以下「通勤手当」という。)については、月十万円まで非課税とされているが、平成二十八年度税制改正では、その非課税限度額を月十五万円に引き上げることとされている。
 これに基づき、以下質問する。

一 非課税限度額を月十五万円に引き上げる理由をお答えいただきたい。

二 通勤手当が支給される企業と支給されない企業の数をお示しいただきたい。

三 通勤手当は所得税法上非課税である一方、社会保険制度上は標準報酬月額算定の際に報酬とカウントされている。標準報酬月額算定の際の「報酬の範囲」に通勤手当を含むこととしている根拠規定及びその理由をお答えいただきたい。

四 報酬の月額が十万円、二十五万円、四十万円、五十五万円の場合の年間の年金・医療保険料を示されたい。

五 例えば、標準報酬月額算定の際に月額十五万円の通勤手当を含め月収が四十万円の場合、定期券等を購入した後の額が二十五万円であっても、標準報酬月額四十万円分の年金・医療保険料を支払うこととなるという理解で良いか。

六 年金・医療保険料は労使折半であるため事業主も負担している。事業主にとっては、同一の賃金であればできるだけ近隣から採用した方が、通勤手当支給分に加えて、事業主負担分の保険料が安くなる。都市部の事業主が地方の労働者を採用するインセンティブにならないのではないか。地方創生の点からも矛盾していないか。

七 通勤手当を報酬の範囲から除外する必要があるのではないか。

八 通勤手当の支給実態等、現状を把握するための調査を行い、これまで述べた問題についての改善に向けた検討をすべきではないか。

  右質問する。