質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第四五号

選挙権年齢の引下げと選挙運動の在り方の見直しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年二月十日

江口 克彦   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   選挙権年齢の引下げと選挙運動の在り方の見直しに関する質問主意書

 選挙は、様々な課題を抱える我が国や地方自治体の将来を左右する、重要な政治参加の機会である。選挙人一人一人が、将来を託すに足る候補者は誰であるかを十分に見極め、人気投票に陥ったり、しがらみにとらわれたりすることなく一票を行使するのが本来の在り方である。
 平成二十八年夏の参議院議員通常選挙から選挙権年齢が十八歳に引下げられ、選挙人の数が概ね二百四十万人増加する見込みである。
 十八歳及び十九歳の選挙人が選挙権を適切に行使することができるよう、主権者教育の在り方等の議論が進んでいるところであるが、同様の観点から、選挙運動の在り方を見直すことも必要である。選挙権年齢の引下げを契機とする選挙運動の在り方の見直しは、近年、低下傾向の著しい投票率の向上にも寄与するものと考えることから、以下質問する。

一 ポスター、ビラ、はがきといった文書図画による選挙運動や選挙運動用自動車による候補者の氏名連呼は、選挙人の候補者選定にどのような効果を持っていると考えられるか、政府の見解を明らかにされたい。顔や名前を周知する必要性は否定しないものの、候補者のビジュアルや名前だけを印象づけようとする選挙運動は、選挙運動経費の節減という観点からも、制限する方向で見直されるべきではないかと考えるが、いかがか。

二 選挙人が候補者の政治信条、政策、人柄を理解し、候補者間の比較衡量の上で投票対象を選定することができるようにするためには、候補者による分かり易い説明の機会の拡充、候補者同士の討論、候補者と選挙人との対話の機会の確保といったことが極めて有効であると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。また、このような観点から選挙運動の在り方を見直すべきではないか。

三 前記二の観点から、戸別訪問も認めるべきと考えるが、いかがか。なお禁止しなければならないとすれば、それはどのような理由によるものか示されたい。

四 平成二十五年四月十九日にインターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律(議員立法)が成立し、インターネット等を利用した選挙運動の一部が解禁されたところであるが、候補者による活用状況を政府は把握しているか。把握している場合には、その状況をどのように分析しているか。
 選挙権年齢の引下げに伴い、インターネット選挙運動の役割が高まることが予想されるが、選挙運動におけるインターネット利用の活性化に向けた見直しについて何か検討が行われているのか、政府の取組について明らかにされたい。

  右質問する。