質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第二三号

選挙権年齢引下げに伴う政府の対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年一月二十二日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   選挙権年齢引下げに伴う政府の対応に関する質問主意書

 平成二十八年参議院議員通常選挙から選挙権年齢が十八歳に引き下げられる。これは、国民の参政権を拡げ若者の社会参加、政治参加の推進を図ることにより民主主義を更に発展させるという重要な意義がある。若者が政策決定に参画し政治的影響力を高めることは我が党の一貫した主張であり、十八歳を通過点とする現在と未来の有権者の負託に応える、活き活きとした主権者教育政策の着実な実現が求められている。こうした観点から、政府の政治教育及び主権者教育に関して以下質問する。

一 主権者教育の推進に関して、我が党は、平成二十七年八月二十日に十八歳選挙権に係る主権者教育の推進等に関する申入れを行い、「学校教育を中心とした「主権者教育」確立のための政策提言」を行っている。政府としては、我が党の提言に対し、どのような検討をし、いかなる対応を行ったかを示されたい。

二 文部科学省は、学校における政治的活動の制限等についての指針を示した昭和四十四年の文部省通知「高等学校における政治的教養と政治的活動について」を廃止し、「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」という新たな通知を平成二十七年十月二十九日に発出した。この新たな通知において、我が党の提言内容はどのような扱いになっているのか伺いたい。また、学校教育と政治的中立性については、「教職員、学生・生徒、保護者・地域のいずれにとってもわかりやすく、明快なガイドライン、ルールを文科省、地教委、学校が三位一体で確立する」ことを我が党は提言しているが、こうしたガイドラインの策定について、政府の方針を示されたい。

三 政府は、選挙権年齢の十八歳への引下げ法案審議の際、「高校生向けの副教材で選挙の意義や重要性を実践的な体験を通して学ぶことができるようにするとともに、教師用の指導資料も併せて作成し、学校教育活動の具体的な場面における指導の留意点について示すことを通じて、各学校の政治的中立性が確保され、なおかつ現実の事象に即した政治的教養の教育が実践的に行われるように示していきたい。」旨答弁した。しかしながら、平成二十七年九月二十九日に公表され、十一月から配布された副教材及び指導資料については、学校現場において、戸惑いが生じ萎縮効果を生むことが懸念されている。今後、開かれた場で、多様な意見を取り入れつつ副教材及び指導資料の検証を行うべきと考えるが、政府の対応方針を示されたい。

四 選挙権年齢の十八歳への引下げ法案の発議者からは、「主権者教育については、学習指導要領の改訂に際し、しっかりと位置付けていく必要がある。」旨答弁があった。現在、検討が行われている次期学習指導要領における主権者教育の位置付けについて、検討状況を示されたい。

  右質問する。