質問主意書

第190回国会(常会)

質問主意書


質問第一八号

慰安婦問題等についての昨年末の日韓合意に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十八年一月二十日

大野 元裕   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   慰安婦問題等についての昨年末の日韓合意に関する質問主意書

 昨年末、日韓外相会談が行われ慰安婦問題等についての日韓合意(以下「今次合意」という。)がなされた。本件合意について、以下質問する。

一 今次合意と一九六五年の日韓基本条約との関係を明らかにされたい。特に、同条約で法的責任は解決済みとしてきたこれまでの我が国の基本的立場との関係を明らかにされたい。

二 今次合意に基づき韓国側で設立する財団(以下「本件財団」という。)の運営者、会計責任者、所在および本件財団の法的地位と設立の根拠となる韓国側の国内法、設立見込みの時期を示されたい。

三 民間任意団体としてのアジア女性基金に「医療支援等」の目的をもって税金から資金を投入したことはあるが、今次合意では現時点においてはかかる目的は公表されていないと理解するところ、本件財団への資金拠出の目的、資金の使用に伴う制限を示されたい。また、本件財団が行う事業の対象はだれになるのか。

四 本件財団の事業や運営に対し、我が国はいかなる発言権を有しているのか。

五 本件財団に国税を投入する以上、事業や運営の内容等を検証する必要があると思われるが、その権利は留保されているのか、またいかにして報告を受け、検証を可能にしているのか。

六 在韓日本大使館前の慰安婦像が移動される前には、本件財団への資金拠出は行われないことになるのか。

七 慰安婦像の移動は「適切になされる」と理解しているとの岸田外務大臣の答弁があったが、適切な移動とはいかなる意味か。いつ、どこに移動されるか、韓国側から確認を得ているのか。

八 「不可逆的な解決」は二国間の合意文書になるのか。

九 安倍総理は今次合意の意義について「私たちの子や孫、その先の世代の子ども達に謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」と述べたが、過去十年の間に韓国政府として日本政府や政治家ではなく、日本国民に謝罪を求めたことがあったか。今次合意が無い場合には、将来において日本政府や政治家ではなく、日本国民に謝罪を求めると韓国政府はしていたのか。

  右質問する。