質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三七八号

内閣参質一八九第三七八号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員小西洋之君提出限定的な集団的自衛権行使が国際法違反の先制攻撃であることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出限定的な集団的自衛権行使が国際法違反の先制攻撃であることに関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、憲法第九条の下で許容される「武力の行使」は、あくまでも、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定)でお示しし、平成二十七年九月十九日に成立した我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第七十六号。以下「改正法」という。)による改正後の自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第七十六条第一項及び第八十八条並びに改正法による改正後の武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第二条第二号及び第四号、第三条第三項及び第四項並びに第九条第二項第一号ロに明記されている「武力の行使」の三要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」に限られており、このような「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合があるが、集団的自衛権の行使一般を認めるものではなく、他国を防衛すること自体を目的とする集団的自衛権の行使は認められない。
 また、集団的自衛権とは、国際法上、一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利をいうと解されている。集団的自衛権は、国際法上、国家に認められている権利であり、違法な行為であるいわゆる「先制攻撃」とは全く異なるものである。