質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三四七号

内閣参質一八九第三四七号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出我が国の航空政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出我が国の航空政策に関する質問に対する答弁書

一について

 航空機燃料税は、日本と外国との間を往来する航空機に積み込まれる航空機燃料には課税しておらず、「日本の航空会社と外国の航空会社との公平な競争を阻害している」との御指摘は当たらない。
 また、空港整備については、今後、増大する航空需要に対応するための機能強化、老朽化した施設の更新及び改良、耐震化等を着実に推進すべく、財源を適切に確保する必要があり、また、その財源が航空機燃料税のみならず一般財源等によっても賄われている現状を踏まえれば、航空機燃料税の見直しについては、慎重に検討すべきものと考えている。

二の1について

 首都圏空港(成田国際空港及び東京国際空港(以下「羽田空港」という。)をいう。以下同じ。)の容量の拡大を含む機能強化については、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、更にはその先を見据え、我が国の国際競争力の強化、増加する訪日外国人旅行者への対応、地域活性化等の観点から必要であると考えている。このため、政府としては、同大会の開催までに、羽田空港における飛行経路の見直し等により首都圏空港の容量を約八万回拡大することを目指し、関係自治体等との協議を進めているところである。今後とも引き続き、首都圏空港の機能強化に向けた取組を着実に進めてまいりたい。
 また、お尋ねの「羽田空港へのアクセスの二十四時間化」の趣旨が必ずしも明らかではないが、羽田空港における深夜早朝時間帯(午後十一時から翌日午前六時までの時間帯をいう。以下同じ。)の発着枠の利用促進に向けて、羽田空港への公共交通機関によるアクセスの改善は、重要な課題であると認識している。このため、政府としては、平成二十六年十月より開始した羽田空港と都心部の駅等とを結ぶ深夜早朝時間帯のアクセスバスの運行を推進しており、平成二十七年度においても路線数及び停留所数を拡大するなど、その改善に取り組んでいるところである。今後とも引き続き、羽田空港の深夜早朝時間帯における空港アクセスの改善に向けた取組を着実に進めてまいりたい。

二の2について

 地方空港の強化については、平成二十七年六月三十日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」及び「「日本再興戦略」改訂二〇一五」等に基づき取組を進めている。
 具体策として、地方空港における滑走路増設等空港ゲートウェイ機能の強化や税関、出入国管理及び検疫の体制整備を計画的に推進してまいりたい。これらの取組に加えて、空港ターミナルビルにおける多言語対応を進めるなど、ハード及びソフトの両面から必要な取組を推進し、空港の受入れ体制の充実・強化に万全を期してまいりたい。
 また、着陸料については、これまでも航空ネットワークの充実を図る観点から所要の軽減措置を講じているところであり、今後も、その必要性に照らして、適切に実施してまいりたい。

三について

 御指摘の「航空産業の人材」の意味するところが必ずしも明らかではないが、操縦士及び整備士に関しては、現在、我が国において、航空需要の増大や人員の年齢構成に起因して、短期的にも中長期的にも不足が懸念されていると認識しており、安全で安定的な航空輸送を支えるためには、こうした人材の養成及び確保のための施策を総合的に講じていく必要があると考えている。こうした状況の中で、交通政策審議会航空分科会基本政策部会技術・安全部会乗員政策等検討合同小委員会が平成二十六年七月に取りまとめた「交通政策審議会 航空分科会 基本政策部会 技術・安全部会 乗員政策等検討合同小委員会とりまとめ」に基づき、操縦士及び整備士について、短期的には即戦力となる操縦士及び整備士の確保、中長期的には若手操縦士及び若手整備士の供給拡大を図るために必要な対策に既に着手しているところである。
 なお、客室乗務員に関しては、操縦士や整備士と比較して養成期間が短く、航空会社においても必要な人員が確保されており、政府として客室乗務員が不足しているという認識はない。また、航空管制官に関しては、引き続き航空需要の増大に対応するため人材育成及び適切な配置を行っていくこととしている。