質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三三四号

内閣参質一八九第三三四号
  平成二十七年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出トラック運送事業における人材不足の解決に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出トラック運送事業における人材不足の解決に関する質問に対する答弁書

一について

 トラック運送業を営む者(以下「トラック運送業者」という。)の大半を占める中小企業においては、荷主に対する価格交渉力の弱さや重層的な下請構造により、適正な運賃及び料金の収受が難しい場合があると認識している。このため、従来より、「トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン」の作成及び普及啓発を通じて、トラック運送業者の交渉力の強化や荷主、元請企業、下請企業間における問題意識等の共有を図ってきたところである。
 また、トラック運送業者における適正な運賃及び料金の収受は、ドライバーの労働条件の改善及びトラック運送業の労働力不足の解消にとっても重要な課題であるところ、その実現に向けては荷主も含めた関係者が一体となった取組が必要であると認識している。このため、本年五月から八月にかけて、荷主、トラック運送業者、関係省庁等により構成される「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」(以下「協議会」という。)を全国に設置したところであり、この枠組みも活用しながら、トラック運送業者における適正な運賃及び料金の収受の実現に向けて一層の取組を推進してまいりたい。

二について

 御指摘については、政府としては、トラック運転者の人材確保を図ることは重要な課題であると認識しており、従業員の処遇や職場環境の改善については、その取組を進める事業主に対する支援を行うための助成金である職場定着支援助成金を利用することができることから、その活用を促進しているところであり、御指摘のような助成金を設ける予定はない。

三について

 御指摘については、政府としては、公共職業安定所において、きめ細かな職業相談及び職業紹介、企業等からの要望に応じたトラック運送業者に特化した説明会等を実施しているところであり、今後とも、これらの取組を推進してまいりたい。

四について

 御指摘については、政府としては、所定外労働の削減等を行った中小企業を助成対象とする職場意識改善助成金について、引き続き、トラック運送業者に対し、その活用を促してまいりたい。

五について

 御指摘については、政府としては、荷主やトラック運送業者を対象とした長時間労働の改善のためのセミナーを全国で開催し、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第七号)の内容や荷主やトラック運送業者における長時間労働の改善のための取組事例の周知を行っている。
 また、今年度、協議会を全国に設置したところであり、当該協議会への荷主の参画等を通じて、トラックドライバーの労働条件の改善に向けた荷主の理解と協力を得ることとしている。