質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第三一七号

内閣参質一八九第三一七号
  平成二十七年十月二日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出不具合が発生した川内原発一号機を運転させ続けることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出不具合が発生した川内原発一号機を運転させ続けることに関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 原子力規制委員会は、平成二十七年八月二十一日午前九時に、九州電力株式会社(以下「九州電力」という。)から、九州電力川内原子力発電所(以下「川内原子力発電所」という。)第一号機において、復水ポンプ出口における電気伝導率が上昇したことを示す警報が同月二十日午後二時十九分に発信したこと、海水漏えいの疑いがあるため現場調査を実施したこと及び現在の電気出力を維持しながら原因調査を実施するため同月二十一日午前九時三十分に予定していた電気出力の上昇操作を延期することを決定したことについて連絡を受けたところである。
 また、その後、九州電力から、九州電力において電気出力の上昇操作を延期することを同月二十一日午前八時三十五分に決定し、工程への影響があることから、同年七月二十二日に原子力規制委員会において了承した「川内原子力発電所に係るトラブル情報等の連絡体制について」に従い原子力規制庁へ連絡する事象であると判断し、速やかに同庁に連絡したとの説明を受けている。
 九州電力の対応は、同連絡体制に沿ったものであり、特段の問題はないと考えている。

四、九、十及び十三について

 御指摘の「施工日時」の意味するところが必ずしも明らかではないが、川内原子力発電所第一号機の復水器について、原子力規制委員会は、施設定期検査において、平成二十七年八月二十六日に、実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第六号。以下「技術基準」という。)に適合していることを確認し、検査結果を「良」としている。また、九州電力からは、当該復水器において損傷した細管を施栓した状態で、今後も川内原子力発電所同号機の運転を継続する予定と聞いている。

五について

 九州電力からは、川内原子力発電所において細管が損傷した復水器に関して、過去に損傷はないが、予防的に四本施栓していると聞いている。また、復水器において使用されている細管の耐用年数は承知していない。

六及び七について

 お尋ねについて網羅的にお答えすることは困難であるが、お尋ねの「最低でも四年間運転停止していた原発を運転再開させた」世界各国における事例については、例えば、米国のブラウンズ・フェリー発電所一号機では、昭和六十年三月に運転を停止し、約二十二年後の平成十九年五月に運転を再開したと承知している。また、お尋ねの「緊急停止や機器等の損傷等、何らかの不具合を生じた原発」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、同発電所同号機では、運転再開直後の同月に電子油圧制御装置から油が漏えいし、原子炉を手動停止したと承知している。

八について

 御指摘の九州電力の判断の決定過程については、原子力規制委員会は関与していない。

十一及び十二について

 九州電力からは、御指摘の「今回の二次系復水器に生じた不具合」は、九州電力の社内規程に基づき不適合として管理の対象としていると聞いており、今後、不適合の管理や原因究明が適切に行われているかを保安検査等で確認することとなる。
 なお、九州電力からは、同社内規程に基づき、根本原因分析の対象に該当しないと聞いている。

十四について

 御指摘の「今回の九電川内原発一号機に生じた不具合」については、原子力規制庁の記者会見において説明するとともに、九州電力社員と同庁職員との面談概要を同庁ホームページにおいて公開している。

十五について

 四、九、十及び十三についてで述べたとおり、技術基準に適合していることを確認していることから、当該復水器については規制基準への適合性は維持されている。この点については、十四についてで述べたとおり、原子力規制庁の記者会見において説明等を行っている。