質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五八号

内閣参質一八九第二五八号
  平成二十七年九月四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤末健三君提出自衛官による米軍等の武器等防護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出自衛官による米軍等の武器等防護に関する質問に対する答弁書

一について

 現在、国会に提出している我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案による改正後の自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号。以下「新自衛隊法」という。)第九十五条の二第一項において、「アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織」(以下「合衆国軍隊等」という。)の部隊であって自衛隊と連携して「我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。)」(以下「我が国の防衛に資する活動」という。)に現に従事しているものの武器等を警護の対象として規定している理由は、先の答弁書(平成二十七年八月十一日内閣参質一八九第二二八号)一及び二についてで述べたとおりであり、同項の規定の内容は、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定)において示された基本方針に基づく法整備の在り方として適切なものであると考えている。

二について

 新自衛隊法第九十五条の二の規定による武器の使用は、自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している合衆国軍隊等の部隊の武器等を武力攻撃に至らない侵害から防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為であり、同条第一項において「現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。」と規定することにより、同項の警護が合衆国軍隊等による「武力の行使と一体化」しないことを担保するとともに、同条の規定による武器の使用によって戦闘行為に対処することはないものとし、したがって、自衛隊が武力の行使に及ぶことがなく、また、同条の規定による武器の使用を契機として戦闘行為に発展することもないようにしている。
 このような武器の使用は、憲法第九条で禁止された「武力の行使」には当たらないと考えている。

三及び四について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、新自衛隊法第九十五条の二第一項の警護については、防衛大臣が必要と認めるときに限り、自衛官が行うものであり、必要に応じ、適切な警護態勢を確保するため、複数の自衛官に警護の任務を付与し、上官の指揮命令の下で組織的に職務に従事させることとなると考えている。また、同項ただし書の規定は、新自衛隊法第九十五条ただし書等の規定と同様であり、適切なものであると考えている。