質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第二〇七号

内閣参質一八九第二〇七号
  平成二十七年七月二十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員神本美恵子君提出出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案及び同法の在留資格取消制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神本美恵子君提出出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案及び同法の在留資格取消制度に関する質問に対する答弁書

一について

 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第二十二条の四第一項第六号に掲げる事由による在留資格の取消しを行った件数は、平成二十四年から平成二十六年までの三年間の合計で百五十六件であり、その在留資格別内訳は、「公用」三件、「投資・経営」一件、「技術」三件、「人文知識・国際業務」十八件、「企業内転勤」二件、「技能」四件、「技能実習第一号ロ」二件、「技能実習第二号ロ」八件、「留学」八十五件、「家族滞在」三十件であり、その国籍・地域別内訳は、ミャンマー四件、バングラデシュ三件、スリランカ五件、中国百二件、台湾一件、インドネシア六件、韓国七件、ネパール十件、フィリピン五件、タイ一件、ベトナム八件、スウェーデン一件、ベナン一件、ガーナ二件であり、その男女別内訳は、男性八十九件、女性六十七件である。
 このうち、例えば、在留資格「人文知識・国際業務」に係る事例としては、雇用されていた会社を退職した後、正当な理由がないのに所定の活動を行うことなく三月以上本邦に在留していた事例があり、在留資格「留学」に係る事例としては、通っていた教育機関を退学した後、正当な理由がないのに所定の活動を行うことなく三月以上本邦に在留していた事例がある。
 入管法第二十二条の四第一項第六号の「正当な理由」があるものと認定して在留資格の取消しを行わなかった事例については、統計をとっていないため、その件数や内訳、具体的事例をお答えすることは困難である。
 また、入管法第二十二条の四第二項の規定による意見聴取を行った件数や事由別内訳、同条第五項の規定による在留資格の取消しを行った件数や事由別内訳については、いずれも統計をとっていないため、お答えすることは困難である。

二について

 入管法第二十二条の四第一項第七号に掲げる事由による在留資格の取消しを行った件数は、平成二十五年及び平成二十六年の二年間の合計で五十件であり、その在留期間別内訳は、三年四十三件、一年七件であり、その国籍・地域別内訳は、バングラデシュ一件、中国十七件、台湾二件、韓国四件、ネパール一件、パキスタン二件、フィリピン十二件、タイ二件、トルコ一件、ベトナム一件、カメルーン一件、エジプト一件、米国一件、ブラジル一件、パラグアイ一件、ペルー二件であり、その男女別内訳は、男性二十件、女性三十件である。このうち、婚姻中の者に係る件数については、統計をとっていないため、お答えすることは困難である。
 入管法第二十二条の四第一項第七号に掲げる事由による在留資格の取消しを行った事例としては、例えば、「日本人の配偶者等」の在留資格をもって在留するフィリピン人が、配偶者である日本人と離婚した後、六月以上本邦に在留していた事例がある。
 入管法第二十二条の四第一項第七号の「正当な理由」があるものと認定して在留資格の取消しを行わなかった件数は、平成二十四年から平成二十六年までの三年間の合計で二件であり、その在留期間は、いずれも三年であり、その国籍は、いずれも中国であり、性別は、いずれも女性であったところ、その事例としては、例えば、中国人が、配偶者からの暴力を理由に当該配偶者と別居していたため、配偶者の身分を有する者としての活動を行っていなかった事例がある。

三について

 御指摘の勧告に対するフォローアップの情報の提出については、関係府省庁間で協力の上、期限内の提出に努めてまいりたい。なお、その内容については、政府内で調整を図っているところであるので、明らかにできる段階には至っていないが、現在においても、当該勧告の趣旨を踏まえ、出入国管理行政上の諸手続の際、個々の事情を考慮し、人道的な観点から適切に対応しているところである。